2013 Fiscal Year Research-status Report
脊髄性筋萎縮症のSMN2遺伝子のスプライシングを正常化させる新規治療薬の開発
Project/Area Number |
24791060
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中川 卓 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40457073)
|
Keywords | spinal muscular atrophy / SMA / splicing / SMN2 |
Research Abstract |
脊髄性筋委縮症(Spinal muscular atrophy)はSMN1遺伝子の異常から発症する致死的な遺伝性神経筋疾患である。現在、有効な治療法は確立されていない。治療法としてSMN1遺伝子とわずか5塩基のみが異なるSMN2遺伝子の活用、つまり「SMN2遺伝子エクソン7のスプライシング正常化」を目指した治療法が有望とされている。 申請者は、SMN2遺伝子エクソン7近傍の配列を組み込んだミニ遺伝子を作成した。ミニ遺伝子の作成にあたってはHabara Y et al. J Biochem 2008.143. 303-10の方法を用いた。申請者は、このミニ遺伝子とHeLa細胞を用いたin vitro スプライシング解析系において、「SMN2遺伝子エクソン7のスプライシング正常化」する薬剤の探索を試みた。その結果、低分子化合物Aが、濃度依存性にSMN2遺伝子のエクソン7スプライシングを正常化する驚くべきデータを得た。この結果をもとに、コンピュータを用いて化合物Aに類似しており「SMN2遺伝子エクソン7のスプライシング正常化」効果が期待される候補化合物を理論的に割り出した。この中から、常温で安定しており揮発性、及び発火性がないもの、生体毒性が弱いと予想されるもの、などの基準で数十種類を候補薬として選定した。最終的な候補化合物の中から、順番にミニ遺伝子のin vitro スプライシング解析を行い「SMN2遺伝子エクソン7のスプライシング正常化」効果を測定している。ひきつづきスプライシング正常化効果が高い最善の低分子化合物を探索していく。あわせてSMA患者線維芽細胞でも種々の候補低分子化合物の「SMN2遺伝子エクソン7のスプライシング正常化」を測定しようとしているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
SMA患者細胞の増殖が極端に遅く培養に苦慮している。これに伴い実験が遅延している。申請期間を延長して実験を続ける方針である。
|
Strategy for Future Research Activity |
数種類のSMA患者の皮膚線維芽細胞を培養して増殖効率の高い細胞を抽出する。そして患者線維芽細胞を用いたin vitro スプライシング解析系において、候補となる低分子化合物のSMN2遺伝子エクソン7のスプライシング正常化効果の評価を逐次進める。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
SMA患者細胞の増殖が極端に遅く培養に苦慮している。これに伴い実験が遅延している。 数種類のSMA患者の皮膚線維芽細胞を培養して増殖効率の高い細胞を抽出する。これにより患者線維芽細胞の培養を促進する。低分子化合物の購入および創出、in vitroスプライシング解析、患者皮膚線維芽細胞の培養、毒性評価のための費用が必要となる。
|
Research Products
(2 results)
-
[Journal Article] Clinical spectrum of early onset epileptic encephalopathies caused by KCNQ2 mutation.2013
Author(s)
Kato M, Yamagata T, Kubota M, Arai H, Yamashita S, Nakagawa T, Fujii T, Sugai K, Imai K, Uster T, Chitayat D, Weiss S, Kashii H, Kusano R, Matsumoto A, Nakamura K, Oyazato Y, Maeno M, Nishiyama K, Kodera H, Nakashima M, Tsurusaki Y, Miyake N, Saito K, Hayasaka K, Matsumoto N, Saitsu H.
-
Journal Title
Epilepsia.
Volume: 54
Pages: 1282-7
DOI
Peer Reviewed
-
[Presentation] A prostaglandin D2 metabolite is elevated in the urine samples of patients with Duchenne muscular dystrophy.2013
Author(s)
Nakagawa T, Takeuchi A, Kakiuchi R, Lee T, Yagi M, Awano H, Iijima K, Takeshima Y, Urade Y, Matsuo M.
Organizer
World Muscle Society 18th Congress
Place of Presentation
California, USA
Year and Date
20131001-20131005