2013 Fiscal Year Research-status Report
鉄が誘導するアポトーシスに着目した肉眼的血尿を伴う急性腎傷害の病態解明
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24791061
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
貝藤 裕史 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (60457067)
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Keywords | 急性腎不全 |
Research Abstract |
小児IgA腎症に高頻度に合併する「肉眼的血尿を伴う急性腎障害(MH-AKI)」は、IgA腎症の腎予後に直結する重大な病態である。平成24年度の研究結果をもとに、本年度は(1)尿細管細胞における過剰鉄とアポトーシスとの関連、(2)尿細管細胞における血液暴露とアポトーシスとの関連、(3)培養細胞を用いた、MH-AKIに対するアポトーシス阻害薬や鉄キレート薬の効果、に関して検討を行うこととした。 まず申請者はヒト近位尿細管細胞(HK-2)にヘミンを暴露させ、HK-2細胞のcell viabilityとTUNEL染色を用いてアポトーシスの有無について検討を行った。その結果、HK-2細胞はいずれの濃度、およびいずれの暴露時間においても有意にcell viabilityが低下しており、低濃度ヘミン下ではTUNEL染色が明らかに陽性を呈していた。 上述(2)および(3)の実験を進めるにあたり、至適なヘミンの濃度および暴露時間を決定するため実験をすすめたが、細胞の継代・培養確立と、ヘミンの至適濃度決定に予定以上の時間を要し、現在もこの作業を継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
細胞の継代・培養確立と、ヘミンの至適濃度決定に予定以上の時間を要した。その後培養細胞の継代は確立されたが、現在も至適条件の決定に研究時間の多くを割いている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
至適条件の決定をできるだけ早急に行い、アポトーシス関連分子の網羅的解析に移行したいと考えている。またこれらの結果については国内および国際学会で発表することも計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度はヒト尿細管培養細胞を用いてアポトーシスに関連する分子の網羅的解析を行う予定であったが、細胞の継代・培養確立と、アポトーシスを惹起する鉄の至適濃度決定に予定以上の時間を要した。リアルタイムPCR(PCRアレイ)の消耗品(試薬その他)は使用期限が非常に短く、使用直前に購入する必要がある。これらの試薬の費用に充てる予定であった研究関連費が未使用となっているため、次年度使用額が生じたと考えている。 培養細胞の継代は確立された。現在鉄の至適濃度を決定中である。次年度では残額を使用してこれらの結果を国内および国際学会で発表し、またPCRアレイを購入の上当初から予定していた研究を継続する予定である。
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