2013 Fiscal Year Research-status Report
白血病髄外浸潤におけるROCKの機能解析と新規標的戦略
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24791064
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
大西 千恵 島根大学, 医学部, 医科医員 (30598115)
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Keywords | ITD-Flt3変異 / Rock / 過剰細胞遊走 |
Research Abstract |
私たちは、白血病髄外浸潤のメカニズムを解明するため、ITD-Flt3変異による過剰な細胞遊走能に着目し研究を行ってきた。ITD-Flt3陽性AML患者に由来するITD-Flt3変異を導入したBa/F3細胞(ITD-Flt3陽性細胞)とWild type Flt3を有するBa/F3細胞(ITD-Flt3陰性細胞)におけるmicroarrayの解析結果から、ITD-Flt3陽性細胞では、Chemokine signaling pathway、Focal adhesion、Leukocyte transendothelial migrationに関与するRho-associated coiled-coil containing protein kinase (Rock)が高発現していることを見出した。またRock阻害剤(Y27632、 H1152)およびshRNAによるRockのノックダウンによりITD-Flt3陽性細胞の過剰遊走が抑制された。ITD-Flt3陰性細胞はSDF-1刺激後1時間ではRock mRNA発現が増加するが、刺激後4時間では減少に転じた。一方、ITD-Flt3陽性細胞ではSDF1刺激下であってもRockの高発現が維持されていた。以上の結果から、ITD-Flt3変異は、SDF-1によるRock発現の抑制をブロックすることにより、制御を欠いた過剰な遊走をもたらしていると考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでのところ、研究実施計画での仮説に一致して、Rockの発現がITD-Flt3陽性細胞の過剰な遊走に関わる実験結果が得られている。今後、白血病髄外浸潤におけるRockの関与を検証するため、マウスを用いた移植実験を進めていくに値する実験結果と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
造血細胞遊走異常に関して造詣が深い島根大学小児科学の福田誠司准教授とインディアナ大学小児科学のRuben Kapur准教授からの助言を賜りながら受け、白血病髄外浸潤におけるのRockの関与を検証するためのマウス移植実験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は、マウスを用いた実験は行わず、すでに保有している細胞を用いた実験を行ったことから、予定の支出をしたまわったため。 次年度に、マウスを用いた実験を予定しており、マウス購入費・飼育費に使用する。
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