2013 Fiscal Year Annual Research Report
川崎病類似冠動脈炎マウスモデルの遺伝子発現に基づいた新たな川崎病治療戦略の検討
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24791069
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永田 弾 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20570790)
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Keywords | 川崎病 / 血管炎 |
Research Abstract |
24年度に引き続き、NOD1リガンドを内服させたマウスの心エコーを行い、左室駆出率からえられる心収縮能、冠動脈径、冠動脈、左室乳頭筋のエコー輝度を測定した。day0から経時的に測定した(2-3週間連日NOD1リガンド投与を行った)が、どの項目に関しても有意な変化は得られなかった。個体によっては冠動脈が大きくなる傾向にあるものもあったが全体としての傾向は得られなかった。駆出率、冠動脈径、各部位のエコー輝度はどれも検者間のばらつきもあり再現性をたもつのは容易ではないと考えられた。なお、NOD1リガンドを内服させたマウスには充分に血管炎が起きており、切片にした状態での冠動脈の計測でも蒸留水を内服させたコントロール群と径に関して有意な差は得られなかった。 つぎに、あるサイトカインを抑制することによるNOD1リガンドによる血管炎が抑制できるかについて検討した。NOD1リガンドを3週間連日投与し、2週目にMR16-1(抗IL-6R抗体)とC1142(抗CCL2抗体)を投与(IV)し3週目に屠殺して病理学的評価を行った。病理学的には細胞浸潤がまだ残存しており、IL-6およびCCL2の作用抑制による血管炎の抑制について明らかな結果は得られなかった。以上から様々なサイトカインやケモカインが関わっていることが示唆され、治療としてどれか単独のサイトカインやケモカインを抑制するのではなく、様々なサイトカインやケモカインを同時に抑制することが必要と考えられた。
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