2014 Fiscal Year Research-status Report
ランゲルハンス細胞組織球症の発症とトル様受容体経路の多型性の関連
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24791084
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
早瀬 朋美 自治医科大学, 医学部, 助教 (50433587)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ランゲルハンス細胞組織球症 / Toll様受容体 / BRAF / エクソーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)は未熟樹状細胞の性質を持つLCH細胞が異常に増殖し、組織破壊を起こす疾患である。LCHの病変部位には様々な炎症細胞が浸潤しており、患者血清では炎症性サイトカイン、ケモカインの異常高値(サイトカイン/ケモカインストーム)が認められる。そのため樹状細胞に発現し病原体を認識するToll様受容体(Toll-like receptor)が未熟樹状細胞の性質を持つLCH細胞に発現し、炎症性サイトカイン/ケモカインストームに重要な働きをしていると推定し研究を開始した。平成24年度はLCH病変におけるTLRの発現について解析し、LCH細胞ではTLR1,2,6,7,8の発現絶対量が増加し、病態形成に関与している可能性が考えられた。 平成25年度はより網羅的な情報を得るため、次世代シークエンサーを用いたタンパク質をコードする全エクソンの解析(エクソーム解析)を施行する方針とし、検体の収集を行った。LCH細胞はホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)ブロックからCD1a免疫染色陽性細胞をレーザーマイクロダイセクション(LMD)により採取することとし、LMDに最適な免疫染色を検討した。また正常細胞として、患者の末梢血検体を収集した。 平成26年度はFFPEからのDNA採取を試みたが次世代シークエンサ―で解析可能な質及び量ともに得られなかった。そのためLCH病変に関しては凍結標本を収集することとし、6検体を収集した。末梢血検体のDNAを採取し、十分量のDNAが得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度中にLCH病変のFFPEブロックからLCH細胞のDNAを採取予定だったが、質、量ともに不十分であったため、LCH病変の新鮮凍結標本を収集した。
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Strategy for Future Research Activity |
LCH病変の新鮮凍結検体によるエクソーム解析を行う。同定された遺伝子変異についてFFPEブロックから得られたDNAを用いてバリデーションを行う。LCH発症に関与すると考えられた遺伝子変異について機能解析を行う。
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Causes of Carryover |
平成26年度はFFPEからのDNA採取を試みたが次世代シークエンサ―で解析可能な質及び量ともに得られなかった。そのため次世代シークエンサ―での解析が行えず、その後に予定していたバリデーション、機能解析が行えなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
LCH病変の新鮮凍結検体によるエクソーム解析を行う。同定された遺伝子変異についてFFPEブロックから得られたDNAを用いてバリデーションを行う。LCH発症に関与すると考えられた遺伝子変異について機能解析を行う。
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