2013 Fiscal Year Research-status Report
Prader-Willi症候群患者に対する性ホルモン補充効果について
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24791086
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
城戸 康宏 獨協医科大学, 医学部, 助教 (30534797)
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Keywords | 臨床遺伝学 / 遺伝学 / Prader-Willi syndrome / hypogonadism / testosterone replacement |
Research Abstract |
本研究は順調な進捗状況を示しており,現在までに得られたデータでは、思春期後のPrader-Willi症候群男性患者への男性ホルモン補充療法による,投与前後の体組成の比較を行った所,体脂肪率の有意な低下,骨塩量および筋肉量の有意な増加が認められ,体組成の改善に有用である可能性が強く示された.また,これまでの諸外国での研究では,男性ホルモン補充により攻撃性が増加すると危惧されていたが,現在までの所,本研究では男性ホルモン投与前後で攻撃性の増加を認めず,むしろ身体的変化(体毛の増加や勃起機能・射精など)が心理的にも良い影響を与えていることが,患者本人および家族への聞き取り調査で明らかとなっている.その他の有害事象に関する検討では,現在までの所,特に大きな有害事象を認めず,投与中止となった症例も皆無である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定よりも,患者数の確保がスムーズに行え,脱落者が極めて少なかったため,結果が速やかに得られ,解析も順調に進んでいるため.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は,PWS患者のもつ永続的な性腺機能低下症に対する性ホルモン補充療法であるため,その観察期間は長期であル必要があり,今後さらに対象数も増加して来るものと考えられる.対象となる可能性のあるPWS患者は現在も着々と診療依頼が寄せられ,対象は平成25年度以降も確実に増加していくものと考えられ,本研究の意義がより確立されていくものと推測される.また,PWS女性患者への性ホルモン補充療法や,成人ダウン症候群をはじめとした他の染色体異常症候群成人患者に関しても,性腺機能低下や骨塩量の低下を認める症例が散見され,本研究とは別個に,成人ダウン症候群をはじめとした他の染色体異常症候群成人患者に関しても,研究を随時進めていく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究の解析結果・解析人数が,論文投稿に十分な統計学的妥当性を持つと判断したため,当初の見立てよりも,少額でまかなえた. 今後の研究予定としては,現時点では男性ホルモンの投与量の不足の可能性もあるために,慎重に投与量を増減しながら解析を継続する.また,成人PWS女性に関しての解析も可能であれば進めていく予定である.これに伴い,新たに試薬の購入やその他の物品の購入を行う必要性が生じてくるものと予想される
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[Journal Article] Testosterone Replacement Therapy to Improve Secondary Sexual Characteristics and Body Composition Without Adverse Behavioral Problems in Adult Male Patients With Prader–Willi Syndrome: An Observational Study2013
Author(s)
Yasuhiro Kido,* Satoru Sakazume, Yoshiko Abe, Yuji Oto, Hisashi Itabashi, Masahisa Shiraishi, Atsunori Yoshino, Yuriko Tanaka, Kazuo Obata, Nobuyuki Murakami, and Toshiro Nagai
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Journal Title
AMERICAN JOURNAL OF MEDICAL GENETICS PART A
Volume: 161A
Pages: 2167-2173
DOI
Peer Reviewed