2015 Fiscal Year Annual Research Report
プロテアソーム阻害剤を用いたポンペ病の新規治療法開発
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24791089
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
嶋田 洋太 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (20560824)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ポンペ病 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポンペ病は酸性α-グルコシダーゼ(GAA)遺伝子の異常により生じる常染色体劣性遺伝病であり、グリコーゲンの蓄積を伴った進行性の筋病変を生じることを特徴とする。本研究の目的は、プロテアソーム阻害剤であるボルテゾミブが有効性を示すGAA遺伝子変異を探索すると共に、同遺伝子変異を有する動物モデルへの有効性解析を行うことで、ポンペ病に対する新規治療薬としてのプロテアソーム阻害剤の検討を行うこととし、以下の結果を得た。 (1)GAAのミスセンス変異のうち、残存酵素活性の高い変異のみならず、残存活性の低い変異の一部についてもボルテゾミブは活性改善を促すことが明らかとなった。さらに、活性の上昇が確認された変異GAAについては、細胞内の局在性についても改善していることが確認された。 (2)ポンペ病のミスセンス変異型モデルマウスとして、M519V変異を導入したヒトGAA(hGAA-M519V)を発現するマウスGAAノックアウトマウスを作製した。同マウスでは、骨格筋や心臓といった主たる病変部位においてhGAA-M519Vの発現が認められ、極めて低いGAA活性が検出された。さらに、グリコーゲンの蓄積やオートファゴソームの蓄積といったポンペ病に特徴的な病変が確認された。 (3)hGAA-M519V発現マウスに対してボルテゾミブを投与した結果、心臓においてhGAA-M519Vタンパク質の安定化及び成熟化の促進、酵素活性の上昇が認められた。一方で、骨格筋についてはこれらの効果は認められず、骨格筋は心筋よりもボルテゾミブに対する感受性が低いことが示唆された。
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Research Products
(2 results)