2012 Fiscal Year Research-status Report
10カラーフローサイトメトリーを用いた造血細胞の分化抗原解析と白血病診断法確立
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24791101
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
三春 晶嗣 独立行政法人国立成育医療研究センター, その他部局等, 共同研究員 (60365319)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 医療・福祉 / 癌 / 生体分子 / 免疫学 / 分類学 |
Research Abstract |
10-カラー解析用として、Pacific Blue / FITC / PE / ECD / PC5.5 / PC-7 / APC / APC-AlexaFluor-700 / APC-AlexaFluor750 / KromeOrange の10種の蛍光色素を用いて、種々の抗体の組み合せについて検討し、蛍光補正が可能であること、測定上問題となる抗体相互の競合は生じないことを明らかにした。また、Pacific Blueと同等の蛍光特性を有するBrilliant Violet を比較し、後者の方がより強い蛍光強度を得ることができる点で優れていることを示した。B前駆/B細胞の分化過程を解析するためのパネルとして、CD44/CD45RA/CD20/CD38/B細胞以外の細胞系統に対する抗体のカクテル/CD58/CD34/CD10/CD19/CD45の組み合せが優れており、正常のB前駆/B細胞は分化段階に応じて、常に一定の抗原発現パターンを示すことを明らかにした。これに対して、腫瘍性のB前駆細胞(白血病、リンパ腫)の場合は、CD44/CD45RA/CD38/CD58のうち、いずれかの発現量が正常と異なる場合が多く、約9割の症例で正常のB前駆細胞と区別可能であり、微少残存病変(MRD)検出に有用であることが明らかとなった。一方、腫瘍性のB前駆細胞に異所性の抗原(骨髄系抗原等)の発現を認める場合は、MRDの指標として有用であるものの、必ずしもすべての芽球に均一に発現しているわけではないため、活用できる症例は限定されることが明らかとなった。T細胞についても同様の検討を行ったが、T細胞性腫瘍の場合は、抗原の発現パターンが多様であり、症例ごとに初発時のマーカー解析の結果をもとにMRD検出用の抗体の組み合せを考える必要があり、今後検討が必要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿って、予定していた研究を実施し、ほぼ期待通りの成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り研究を進め、さらに例数を増やして腫瘍性B細胞と非腫瘍性のB細胞の抗原発現様式を詳細に比較検討し、B前駆細胞性リンパ芽球性白血病の臨床検体に対する10-カラー解析による微少残存病変(MRD)検出法の有用性について結論を得る。また、T細胞およびT細胞性腫瘍についても、同様の解析を進め、T細胞性腫瘍のMRD検出法についても確立を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(8 results)