2015 Fiscal Year Annual Research Report
晩期循環不全でのサイトカインを含むバイオマーカーと転写因子発現プロファイルの検討
Project/Area Number |
24791119
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
俣野 美雪 自治医科大学, 医学部, 助教 (90458315)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 晩期循環不全 / サイトカイン / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
自治医科大学倫理委員会の承認を得て研究を開始した。患児のご家族から同意を得て、検体採取を行った。自治医大NICUに入院した、出生体重1500g以下の極低出生体重児のうち晩期循環不全を発症した6例(晩期循環不全群)と発症しなかった15例(control群)からのべ80検体を採取できた。 Bio rad社のBil-plex multiple suspension array systemを用いて9種類(IL-1b,IL-6,IL-8,IL-10,IFN-γ,MCP-1,VEGF,NT-proBNP)のサイトカインと心血管バイオマーカーの測定を行った。晩期循環不全群とcontrol群で周産期因子、入院後合併症については有意差はなかった。晩期循環不全発症時のサイトカイン血中濃度を晩期循環不全群とcontorol群とで比較したが、炎症性サイトカインであるIL-8、TNF-αが有意に高値であり、抑制性サイトカインであるIL-10が高値の傾向であった。晩期循環不全群で発症後のサイトカイン血中濃度の推移についても検討したが、高値であったサイトカインは治療開始後、低下傾向だったことから、晩期循環不全発症の機序に炎症性サイトカインが関与した可能性が示唆された。心血管バイオマーカーについても晩期循環不全群で高値になることが予測されたが、control群と比較し有意差は認めなかった。 また、4種類の転写因子(NFkB,TFⅡD,CREB,MEF-2)について測定し検討したが、2群間で明らかな有意差は認められなかった。
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