2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24791120
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
伊藤 尚志 北里大学, 付置研究所, 研究員 (90383629)
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Keywords | 腸内細菌 / 新生児 / NICU |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、本年度は、①各病棟と外来(1ヶ月健診)での糞便回収及び承諾取得、②各菌種の特異的プライマーの設計と確認、③NICU入院児の糞便検体を用いた代表4菌種の解析、を施行した。①に関して、昨年度同様に、NICU入院児の検体回収及び承諾取得はスムーズであった。本年度は特に、昨年様々な問題が多かった正常新生児の検体回収を施行した。入院時での検体回収の説明及び配布資料を改善させ、関連する助産師らと協力することで、正常新生児検体の回収は増加した。②に関して、昨年度解析系を確立したBifidobacteria、Enterococci、Enterobacteriaceae、Staphylococcus aureusの4菌種の解析系での結果を、別の試薬(taqman probe)を用いたRTーPCR解析と比較した。結果、2つの試薬での結果に差はなく、引き続き検体の解析を行うこととした。③に関して、昨年解析した33症例の入院児に加え、NICU入院児30例、正常新生児群30例の検体の解析を施行中である。 一方、実験計画した高圧液体クロマトグラフィーによる有機酸・短鎖脂肪酸解析は、基礎実験の結果、今回低出生体重児から回収した必要糞便検体では、実験に必要な糞便量が足りないことが判明した。このため、正常新生児で回収量の多いサンプルを用い、系の確立を目指す。 さらに、昨年研究発展のために通常培養では解析が困難な嫌気性菌の解析を検討したが、糞便検体の嫌気的回収が困難なことがわかり、本手法では不可と判断した。今後も他菌種解析が可能か検討予定とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の中心となる、正常新生児およびNICU入院児の糞便検体解析は、予定検体数に近づきつつあり、解析も順調である。引き続き、代表4菌種を用いたRT-PCR解析と、各臨床群における解析結果のまとめを施行する。 一方、昨年研究発展のために通常培養では解析が困難な嫌気性菌の解析を検討したが、糞便検体の嫌気的回収が困難なことがわかり、本手法では不可と判断した。今後も他菌種解析が可能か検討予定とする。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度施行した研究結果を踏まえ、昨年度に引き続き臨床検体の同意取得及び検体回収を行う。臨床症状により分類した各群に対して、統計学的処理に必要なサンプル回収を目標とする。得られたサンプルのDNA抽出、RT-PCRによる解析を継続する。高圧液体クロマトグラフィーによる有機酸・短鎖脂肪酸解析は、基礎実験の結果、必要糞便検体量が足りないことが判明した。このため、正常新生児で可能な限り検体の量を増やし、上記RT-PCRの結果に加えた解析を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度、1か月健診施行の外来の都合で、正常新生児の検体回収を優先した。このため、解析実験に遅れが生じ、当初予定した消耗物品費が見積もりよりも定額であった。 予定通り、実験解析を施行する。昨年度からの予算は、引き続き回収検体の解析に使用する。
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Research Products
(1 results)