2012 Fiscal Year Research-status Report
顕微質量分析による新生児低酸素性脳症の代謝システムの制御解明と低体温療法の最適化
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24791121
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
武内 俊樹 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60383741)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 低体温療法 |
Research Abstract |
平成24年度の計画【(1)新生児低酸素性虚血性脳症の動物実験モデルRice-Vannucci model(Rice et al. Ann Neurol 1981)】が予定通り構築され、安定した小動物実験系を確立することができた。続いて、本動物実験系が本研究課題の目的である新生児低体温療法の機序を解明するための実験系として妥当であることを確認する必要が生じた。このため、杉岡忠男氏の協力を得て、低酸素虚血障害後のラットを低体温環境におくことで、実際に動物の神経学的症状が改善することを確認した。また、平成24年度の計画【(2)CE/MSメタボローム測定系を用いた代謝物の網羅的測定】についても、予定通り、研究協力者の末松誠教授の慶應義塾大学医学部医化学教室メタボローム解析チームの協力を得ることで、検体からの代謝物の抽出処理と各代謝物の測定を完了することができた。また、平成25年度以降の計画として掲げた【(3)顕微質量分析法を用いたマスイメージング】の一部を予備研究として行った。 平成24年度の本研究課題の成果である新生児低酸素虚血性脳症およびそれに対する低体温療法の小動物実験系の確立と脳抽出物のCE/MSメタボローム解析データ、また予備研究として行った一部の画像解析結果をまとめて、2013年2月8日(金)東京都港区西新橋の東京慈恵会医科大学で開催された第38回日本微小循環学会総会にて「Metabolic responses to mild hypothermia treatments after hypoxia-ischemia in newborn rats」と題して口頭演題発表し、学会奨励賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画の中で、平成24年度内に予定した安定した低酸素虚血性脳症および低体温療法の動物実験系の確立ができ、CE/MSメタボロームデータも研究協力者らの協力を得て測定が予定通り完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、平成25年度以降の計画として掲げた【(3)顕微質量分析法を用いたマスイメージング】を予定通り完遂する。マスイメージングに関しては、これまで行った予備研究と同様に、研究協力者の末松誠教授を通じて、島津製作所分析計測事業部ライフサイエンス事業統括部の中西豪らの協力を得る予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
未使用額の発生は、効率的な実験用動物や物品の調達を行った結果である。翌年度の消耗品購入に当てる予定である。
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Research Products
(1 results)