2014 Fiscal Year Annual Research Report
血中ステロイド一斉測定による超早産児の副腎機能発達の評価
Project/Area Number |
24791122
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三輪 雅之 慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (30383855)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 早産児副腎機能 / 晩期循環不全 / ステロイドプロファイル / 超低出生体重児 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は23-27週の超早産児AGA児において晩期循環不全発症群と非発症群での日齢4と生後2週での血中ステロイドプロファイルの比較および日齢4から生後2週における経時変化を解析した。晩期循環不全発症群では非発症群に比べ日齢4の血清コルチゾールが高値であり、コルチゾンに差がないことからコルチゾン/コルチゾール比(E/F比)が低値であった。これは平成25年度の研究と同様の結果であった。日齢4で認めたステロイドプロファイルの差は生後2週では消失していたが、晩期循環不全発症群では日齢4から生後2週にかけてアルドステロンが低下していた。非発症群ではアルドステロンの増減に一定の傾向は認めなかった。 本研究の目的は超早産児の副腎ステロイド分泌パターンの経時的(縦断的)解析を行い、晩期循環不全および早産児の副腎機能の日齢による発達を解明することにある。晩期循環不全発症児と非発症児のステロイドプロファイルを日齢4、生後2週、修正37-38週で比較し経時変化の解析を行った。生後早期のステロイド投与は日齢4のステロイド分泌には影響を与えないこと、晩期循環不全発症児と非発症児の差は日齢4には副腎永久層のコルチゾールが高値であるが、生後2週ではその差は消失すること。さらに修正37週ではコルチゾール、アルドステロン基礎分泌に差はないが中間代謝産物である17OHP5などが低値になることが判明した。 以上の研究から超早産児におけるステロイドプロファイルの経時的変化と晩期循環不全を発症する児と発症しない児では副腎ステロイドの成熟過程に差があることが判明した。晩期循環発症は副腎不全を主体とする病態の可能性が高く、さらに本研究から日齢4のE/F比、日齢4から生後2週にかけてのアルドステロン値を利用し発症リスク児を予想できる可能性が示唆された。
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