2013 Fiscal Year Annual Research Report
血管肉腫における哺乳類ラパマイシン標的タンパク質経路とオートファジー機構の関与
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24791133
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
沼田 透効 東北大学, 大学病院, 助教 (30622980)
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Keywords | 血管肉腫 / mTOR経路 / オートファジー |
Research Abstract |
本研究の目的は血管肉腫の分子病態機構を調べることとし、本申請研究期間には血管肉腫細胞の病態におけるmTOR経路とオートファジー機構の関与を調べることを主目的とする。東北大学病院の症例数が比較的多いことを活かし、まず、臨床検体を用いて免疫組織学的 にmTOR経路とオートファジー機構関連分子の発現を検証する。高発現が確認された分子については、培養血管内皮細胞を用いた強発現 系で血管内皮細胞におけるその意義を確認する。さらに血管肉腫組織より、血管肉腫細胞株の樹立を試み、in vitroもしくはex viv oでのmTOR経路とオートファジー機構関連分子の動態と病態関与検証系を確立することを目指す。細胞株樹立が困難な場合には、既存 の血管肉腫細胞株を用いてmTOR経路とオートファジー機構関連分子の動態を検討する。 平成24年度までに、血管肉腫組織でのmTOR経路とオートファジー経路関連分子の発現を免疫組織学的に検討した。その結果、血管肉腫組織では 、両経路の分子の発現が正常血管内皮に比して強発現していることを確認した。特に、ATG8の発現が高く、オートファジー系経路が恒 常的に活性化されていることが示唆された。血管肉腫細胞の培養系では、mTOR経路の阻害剤とオートファジー阻害剤を用いてその増殖能を確認した。それぞれの系の単独阻害での増殖抑制に比して、両経路とも阻害した状態では、腫瘍細胞のアポトーシス誘導が効率に確認できた。これらの結果は血管肉腫細胞の維持にmTOR経路とオートファジー経路の必要性を示唆した。平成25年度は、オートファジー関連分子についてヒト皮膚の免疫染色を行った。正常皮膚では、オートファジーのkey moleculeであるLC3Bは表皮顆粒層でもっとも強く発現していた。また基底層でも染色が確認されたが、有棘層はほとんど染まらなかった。
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