2012 Fiscal Year Research-status Report
KID症候群モデルマウスにおける発癌メカニズムの解明
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24791148
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
藤山 俊晴 浜松医科大学, 医学部, 助教 (60402301)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | Connexin26 |
Research Abstract |
K14プロモーターを用いた、KID症候群患者より得た変異型コネキシン26(以下Cx26)トランスジェニックマウスでは、一部ヒゲを欠くなど表現型の異常が見られていた。このモデルマウスを用いて、紫外線照射による発癌の誘導を試みた。紫外線(UVB)照射により熱傷潰瘍を形成し、その潰瘍の創傷治癒が遷延する現象が確認された。しかし、照射後の生存期間が短かった可能性もあるが、明らかな紫外線発がんは確認できなかった。そこで、まずin vitroの系として、K14プロモータを用いた変異型Cx26ベクターを、HaCaT細胞および、正常ヒトケラチノサイト(以下NHEK細胞)に遺伝子導入し、紫外線照射後のアポトーシス誘導につき検討した。その結果、遺伝子導入群では遺伝子非導入群に比して有意にアポトーシスが抑制されていた。さらに、これらの細胞を用いたScratch wound hearing assayでも有意な差が認められた。したがって、変異型のCx2遺伝子の導入が、細胞の生存や増殖、創傷治癒などにかかわっている可能性が示された。しかし現在のところ、RT-PCRの結果から一部の細胞に遺伝子が導入導入されていることは確認できているが、その効率と、野生型Cx26遺伝子を導入した際の反応が不明である。したがって現在は、変異型および野生型の遺伝子導入細胞を薬剤選択的に培養できるベクターを作成し、検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画していたモデルマウスでの発癌が確認できなかったことから、研究の方向性を修正し、変異遺伝子のアポトーシスや発癌、創傷治癒としているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在作成しているCx26の変異遺伝子および野生型遺伝子のベクターを用いて、NHEKやHaCaT細胞でこれらの遺伝子が発現した際のアポトーシスの誘導や細胞増殖、創傷治癒への影響を検討し遺伝子変異と、発癌との関係を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
In vitroで培養細胞での解析を進め、得られた結果を、国内外の皮膚科関連の学会で発表し、論文作成を行う。
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Research Products
(6 results)