2013 Fiscal Year Annual Research Report
表皮におけるAhRの新規標的遺伝子の探索および皮膚病態との関連性の解明
Project/Area Number |
24791162
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古賀 沙緒里 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 学術研究員 (80590249)
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Keywords | 皮膚生理学 / ダイオキシン |
Research Abstract |
本年度は,Aryl hydrocarbon Receptor (AhR) のリガンドである 6-formylindolo[3,2-b]carbazole (FICZ) および Benzo[a]pyrene (BaP) が CCL5/RANTES を減少させた結果,生体にどのような影響を与えるか検討した. まず,ヒト表皮細胞株である HaCaT 細胞を用いて,Th1 由来の炎症性サイトカイン (TNF-alpha, IFN-gamma) の刺激により増加する CCL5 を抑制できるか検討した.その結果,FICZ および BaP は濃度依存的に Th1 由来サイトカイン誘導性の CCL5 を減少させることが明らかになった.したがって,これら AhR リガンドは抗炎症効果を有する可能性が示された. そこで,接触性皮膚炎モデルマウスを作製し,AhR リガンドが実際に炎症軽減作用を有するのか検討した.2,4-Dinitrofluorobenzene (DNFB) を用いて感作を行い,5日後に惹起させた.惹起と同時に FICZ を皮下投与し,接触性皮膚炎が軽減されるか検討した結果,対照群との差は認められなかった.また,表皮,真皮,リンパ節に遊走している細胞群を FACS を用いて評価したが,対照群との違いは認められなかった.現在,これらのマウスを用いてマイクロアレイによる網羅的解析を行い,詳細な解析を進めている. 以上より,本研究では表皮細胞において,AhR リガンドが CCL5 を抑制することにより,炎症軽減作用を有する可能性が示された.
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