2012 Fiscal Year Research-status Report
データベース化を目指したヒトメラノーマ特異的RNA干渉分子療法の開発
Project/Area Number |
24791168
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中井 章淳 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80453108)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 悪性黒色腫 / 治療 / siRNA / Mitf |
Research Abstract |
進行期メラノーマは化学療法や放射線治療に抵抗性で死亡率は高い。切除不能の進行期の患者に対し、新規の有効な治療を開発することが切望されている。そこで研究代表者はメラノーマやメラノサイトに特異的で増殖や生存に関与する転写因子であるmicrophthalmia-associated transcription factor (Mitf)-Mに着目した。ヒト色素性メラノーマ細胞株と無色素性メラノーマ細胞株の定常状態でのMitfの発現レベルを確認した上で、ヒトMitf-MをターゲットにしたsiRNAを複数合成し、メラノーマ細胞株にカチオニック・リピッドを用いてin vitro導入し、最もサイレンシング効果の高く抗腫瘍効果の高いsiRNAを選択する。それら細胞株をマウスに皮下移植し樹立した腫瘍塊においてもMitf-siRNAを導入することで遺伝子サイレンシングと抗腫瘍効果がみられることを確認し、さらに個々の細胞株のMitf発現レベルと治療効果に相関関係があることを検討することを平成24年度に計画した。しかしながら複数のヒトメラノーマ細胞株の入手経路を絞り込むことができず、また安定したノックダウン効果を発揮するsiRNAの取得経路を絞り込めなかったため研究の成果として示すことのできる内容はまだ行えていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
1、臨床業務、教育業務が予想されたものより忙しく、申請書に記載したエフォート(%)の時間を研究に注げなかったため。 2、実験に必要な複数のヒトメラノーマ細胞株の取得経路を絞り込めなかったため。 3、安定したノックダウン効果を発揮するsiRNAの取得経路を絞り込めなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
1、申請書に記載したエフォート(%)の時間を研究に注ぐ。 2、ヒトメラノーマ細胞株の取得経路と安定した培養条件を整え、実験に必要なヒトメラノーマ細胞株とその安定した数をそろえる予定である。 3、安定したノックダウン効果を発揮するsiRNAを取得し、選別する予定である。 4、1-3の条件を整備した後、ヒト色素性メラノーマ細胞株と無色素性メラノーマ細胞株の定常状態でのMitfの発現レベルを確認した上で、ヒトMitf-MをターゲットにしたsiRNAを複数合成し、メラノーマ細胞株にカチオニック・リピッドを用いてin vitro導入し、最もサイレンシング効果の高く抗腫瘍効果の高いsiRNAを選択する。それら細胞株をマウスに皮下移植し樹立した腫瘍塊においてもMitf-M siRNAを導入することで遺伝子サイレンシングと抗腫瘍効果がみられることを確認し、さらに個々の細胞株のMitf発現レベルと治療効果に相関関係があることを検討する。 5、4で治療効果に相関関係があることを確認した後、平成25年度に予定していた実験として、研究代表者らが樹立した患者由来メラノーマ細胞株にin vitroとin vivoでヒトMitf-M siRNAを導入し、腫瘍のMitf発現レベルと腫瘍細胞増殖抑制効果に相関関係があるか否かを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に予定されていた実験ができなかったため、収支状況報告書の次年度使用額がゼロにならなかった。平成24年度の予定に含まれていた未施行の実験に加えて、予定されている平成25年度の実験も行うため、必要経費は当初予定されていた満額である429万円が必要である。 すなわちヒトメラノーマ細胞株6種類の購入、in vitro用Mitf-M siRNAとin vivo用Mitf-M siRNAの購入、マウスの購入、その他抗体や試薬など消耗品の購入を行う。とくにマウスを用いたin vivoにおけるsiRNAの導入に関しては、一匹あたりおおよそ40ugのsiRNAが必要になると予想される。一群8匹と仮定した場合に、少なくともターゲットsiRNA群、コントロールsiRNA群、vehicle群、無治療群の4群が必要である。さらに確認のため数回同じ導入実験を行う。これを少なくとも6種類のメラノーマ細胞株や研究代表者らが樹立したメラノーマ細胞株で行うと210万円程度になる見込みである。またマウスの購入費用や消耗品を合算すると平成24年度の残額と平成25年度の研究費の合計である429万円全てが必要となる。
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