2013 Fiscal Year Research-status Report
データベース化を目指したヒトメラノーマ特異的RNA干渉分子療法の開発
Project/Area Number |
24791168
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中井 章淳 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80453108)
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Keywords | メラノーマ / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
研究代表者は、メラノーマにおける新規で有効な治療法として、世界に先駆けてMitf特異的siRNAをマウスのメラノーマに導入し、アポトーシスを誘導することで抗腫瘍効果を確認した(Gene Therapy 2007)。それを発展させ、本研究では種々の色素性もしくは無色素性ヒトメラノーマ細胞株や申請者が患者検体から樹立したヒトメラノーマ細胞株でMitfの発現レベルを調べた後、より有効と考えられるヒトMitf-M特異的siRNAを細胞株に導入し、Mitf発現抑制による抗腫瘍効果を確認する。治療効果が腫瘍のMitfレベルと相関していることがわかれば、それを将来のデータベース作成の礎とする。患者腫瘍のMitfレベルを予め調べることでsiRNAの治療効果が予測できる。治療適応となる患者の選択が可能な新規創薬の開発につなげることが研究の目的である。 ヒトMitf-Mを標的にしたsiRNAの構築は委託会社からの回答では不可能であった。そのためsiRNAではなく、近年開発されたCRISPR/Cas9を用いて標的の遺伝子を不活性化させることにした。ヒトMitfのvariant4を標的としたsingle guide RNAを3種類合成した。ヒトメラノーマ細胞であるHMV-II、G-361、SK-MEL-28の3種類の細胞株に前述の3種類のCRISPR/Cas9-Mitfをin vitroで導入した。導入後72時間の細胞数とcell viabilityを測定した。結果として、細胞数とcell viabilityに乖離があり、明らかに有意と判断できる腫瘍細胞増殖抑制効果はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Mitf-M特異的siRNAを合成できず、それに代わる媒体を模索していたため研究の進度が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
使用した導入試薬を用いて、コントロールプラスミドDNAをメラノーマ細胞へ導入したところ、その導入効率は20%程度であった。導入効率を上げるために導入方法を変更することや、Mitf遺伝子のvariant4内での標的部位を変えたCRISPR/Cas9-Mitfを作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ヒトMitf-Mを標的としたsiRNAの合成が不可能であったため、研究が先へ進まなかった。 ヒトMitf遺伝子のvariant4を標的としたCRISPR/Cas9-Mitfを複数合成するための費用とし、それを基に研究を先に進める際に使用する。
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