2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規の弾性線維形成因子の探索と弾性線維再生への応用
Project/Area Number |
24791181
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
里 史明 星薬科大学, 薬学部, 講師 (10468580)
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Keywords | 弾性線維 / 光老化 / リジルオキシダーゼ / 日光弾性線維症 |
Research Abstract |
組織の柔軟性に寄与する弾性線維の低下はしわやたるみ、動脈の硬化に深く関与する。このことから、弾性線維の保護・再生はアンチエージングとして高齢者のQOLを高めることが期待される。しかしながら、弾性線維の形成機序が非常に複雑なことからその解明は遅 れており、新たなブレークスルーが必要と考えた。そこで本研究では、新規の弾性線維構成促進因子の探索と新規因子の機能を明らかとすることにより、効率的な弾性線維の再生を目指す。昨年度までのに得られた結果から、リジルオキシダーゼ(LOX)及びそのファミリー遺伝子であるリジルオキシダーゼlike1(LOXL1)過剰発現または遺伝子発現抑制株の解析を進め、LOXが新たにトロポエラスチンの微細線維への沈着にも関与していることを明らかとした。また、その作用機序として、弾性線維形成初期において細胞膜上でトロポエラスチンを凝集させることも見出した。さらに、このLOXが細胞密度の低い状態では細胞膜に局在するが、細胞密度が高くなるにつれて細胞膜から離脱することも見出した。このLOXの細胞膜からの離脱は、加齢に伴い遅延し、さらに、この遅延と一致し弾性線維形成速度が低下することから、細胞膜上におけるLOXとトロポエラスチンの複合体の微細線維への沈着は、このLOXの細胞膜からの離脱に依存している可能性が考えられた。今後、この細胞膜からの遊離を促進させる因子の探索が弾性線維再生に有益となると考えられる。
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