2013 Fiscal Year Research-status Report
EBA患者100例の臨床像と自己抗体の抗原エピトープの関連性の検討
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24791185
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
大塚 明奈 久留米大学, 医学部, 助教 (80569369)
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Keywords | 自己免疫疾患 / 水疱症 / 免疫ブロット法 / ELISA法 / 臨床統計解析 / 分子疫学解析 / 蛍光抗体法 |
Research Abstract |
1.後天性表皮水疱症(Epidermolysis bullosa acquisita、EBA)の血清学的な診断結果を集計し、統計解析した昨年度のデータを基に、エンボプラキンやデスモコリン、7型コラーゲンのNC1/2ドメインなどの免疫ブロットを用いて、病因抗原の種類と組織分布の結果、臨床像との関連性について検討を加えた。 2.1M NaCl処理によって、表皮と真皮を分離した皮膚を基質とした蛍光抗体間接法を用いた解析方法を応用して、真皮側IgAの沈着がみられるEBAとlinear IgA bullous dermatosis (LABD)との鑑別が出来るかどうかについても検討した。蛍光オーバーレイ法を用いた共焦点レーザースキャン顕微鏡による高解像度の画像解析を行った。4型コラーゲンの表皮側と真皮側にLABDとEBAの抗原がそれぞれ分布することが画像上で有意な差をもって確認できた。 3.自己抗体の7型コラーゲン蛋白上のエピトープマッピングについては、NC1ドメインのフラグメントによる自己血清の反応性の有無の確認についての研究が海外の共同研究者主導にて既に始められたため、更に詳細なエピトープのマッピングと共通ペプチド配列の確認、3次元構造に依存した特異性やホットスポットの有無の確認などを行う方向で目標を変更し、本年度は、ペプチドマイクロアレイを用いたペプチド作製のための準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.EBAのこれまでの患者血清渉猟数が100例を超え、現在までに行われた解析環境の規模をはるかに上回る数のデータを基にした分析が可能となった。 2.分子疫学解析や、病因抗原である7型コラーゲンの血清抗体によるエピトープマッピング、更にエンボプラキンやデスモコリンをはじめとした、種々の自己免疫性水疱症患者血清が横断的に反応する自己抗原に対する、患者血清の反応性などの確認を開始することが出来る状況になった。 3.リコンビナント蛋白を用いた免疫ブロットやELISA assayによって、感度特異度ともに更に高い診断法の確立に向けた予備実験を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.7型コラーゲン特異的なヘルパーT細胞の働きを確認するために、渉猟したEBA患者の末梢血を用いたELISPOT解析を行う。IL-5分泌Th2細胞、IFN-γ分泌Th細胞などの関与について検討を加える。 2.ペプチドマイクロアレイ作成のための予備実験やペプチド作製を行い、エピトープマッピングに向けての準備を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
産前産後の休暇取得に伴う補助事業期間延長を申請し、平成24-25年度の事業期間を26年度まで延長したため。 平成25年度の後半に行う予定であった研究内容を、平成26年度後半に行う。ELISPOT解析に加えて、ペプチドマイクロアレイ解析のための基盤となる研究を行う。
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