2013 Fiscal Year Annual Research Report
大うつ病におけるアリピプラゾールによる増強療法の分子機序
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24791208
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小杉 桜子 金沢大学, 医学系, 博士研究員 (50517810)
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Keywords | うつ病 / 個体差 / SSRI / 増強療法 / アリピプラゾール / 治療抵抗性 |
Research Abstract |
平成25年度は、まず対照動物群内の亜群の同定とその認知行動学的特徴の決定を前年度に引き続き行った。その結果、これまで3群に分けられると考えられていた対照動物群内の亜群は、4群に分けた方がより各群間の区分が明らかになり、かつ様々なストレスを与えた場合の表現型においても違いが区別できることが明らかになった(投稿準備中)。この解析に当初の予定より時間を要したためSSRIあるいはアリピプラゾールに対する治療反応性を検証する実験の開始が予定より遅れた。上記の結果に基づき、対照動物群を予め行動認知学的指標に基づいて4つの亜群に分けた上で、予期不能の慢性ストレス負荷を4週間に渡って行い、さらにその後に各亜群を対照群とSSRI投与群の二つに分け、うつ病様行動のSSRIに対する反応性が各亜群でどのように異なるのかの検討を開始した。また、SSRIで改善を示さなかった群/行動指標に関しては、急性ケタミン投与を行い、その後に行動指標の改善が見られるか検討を開始した。上記実験は一回のセッションで40匹以上の動物を数ヶ月に渡って訓練及びテストをし、さらに各亜群を対照群と抗うつ剤投与群の二つに分けて解析する必要上、統計学的に処理するNを確保するために同じ実験を数回繰り返す必要がある。現在第1回がまもなく終了予定となっているが、今後同様の実験をさらに繰り返して各亜群の、それぞれの行動認知指標におけるSSRIに対する反応性を決定する必要がある。SSRIに対して治療抵抗性を示す亜群/行動指標が同定されたら、SSRI+アリピプラゾールの増強療法に関する検討を開始する予定である。
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