2012 Fiscal Year Research-status Report
脳内ステロイドメタボロミクスを用いた新規抗うつ薬の開発
Project/Area Number |
24791209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
杉山 暢宏 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (30422695)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | estrogen receptor beta |
Research Abstract |
初年度はホルモン測定受託業者の最終決定,測定料金の交渉を行った.その結果一検体あたりの測定に必要な値段がおおよそ決まり,本研究プロジェクトの予算総額のなかで,どの程度の検体数が測定できるかが決まった. それに基づいて,数多くのステロイドのなかから,どのステロイドホルモンを測定するか,先行研究をもう一度俯瞰し,さまざまな角度から最終的に検討し,6種類に絞りこんだ.検体を唾液とするか血液とするか,日内変動はどうするか,なども,十分に考察した. 初年度は,およそ60の検体から6種類のステロイドホルモンを測定した.液体クロマトグラフィーとMS/MSの組み合わせの技術により,いままでにはない精度でホルモンの測定を行うことができた.このような測定法による報告は少ないので,引き続きサンプルサイズを増やし,正確な値を追求していきたい. また,うつ病のサンプルと正常コントロールの比較,男女のサンプルでの比較,においても,あらたな知見が得られた.限られたサンプルサイズでの予備的な検討であるので,結論するにはさらに検体数を集めることが必要である.現在正常コントロール,うつ病群,について男性,女性それぞれ,サンプルサイズを増やしているところである. 健常ボランティアもうつ病患者群も,協力者の負担を最小限に減らすようにすべきであることは当然である.採血や問診の順序を工夫したり,事前に来院日を調整するなど,研究プロトコルにさらに細やかな工夫を加えて,スムースに採血,問診が終わるように創意してきた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究目的は,健康正常群とうつ病の経験者で,血液中,唾液中のステロイドホルモンを定量的に比較し,うつ病の病態生理に関与する重要なホルモンはどれかを探索することであった.ホルモン精密測定を委託する業者との交渉で最終的な測定料金が決まった.また文献的検討もさらに深め,6種類のステロイドに対象を絞った.学内倫理委員会で承認された研究プロトコルに従い,被験者の募集,検体採取,基礎データ採取,検体搬送,データ解析の流れが具体的に確立した.おおむね順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の主旨を理解し,研究に参加して下さる被験者がより多く集まるように,引き続き努力することが重要であると考えている. ホルモンは日内変動の影響を受けるため,本研究は検体を採取する時間に強く拘束される.したがって,被験者のスケジュールにあわせつつ,こちらも実現可能な形での検体収集のスタイルを極めるために,引き続き工夫を重ねていく必要がある. たとえば,朝10時に採血する必要があるが,被験者が遠方に住所がある場合など,前年度は思わぬ困難があったので,工夫を重ねていきたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が生じた理由は,平成24年度の検体数が当初の予想を下回ったことによるが,どの程度の検体数が研究開始初年度に集められるか,については,差が大きく,正確に予想することは困難であった. 徐々に検体収集は軌道に乗りつつあるので,平成25年度はさらに多くの検体からホルモン測定を行う予定である.したがって,平成24年度未使用であった研究費も含め,平成25年度は平成24年度よりも多くの研究費を使用する見込みである. 平成24年度同様,研究費の多くは,ステロイドホルモンの精密測定(受託業者に外部委託)に係わる費用に充てる予定である.
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