2014 Fiscal Year Annual Research Report
脳内ステロイドメタボロミクスを用いた新規抗うつ薬の開発
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24791209
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
杉山 暢宏 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (30422695)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | エストロゲン受容体 / うつ病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究によって,閉経期における女性のうつ病罹患率が高いことの病態メカニズムに,内分泌学的な視点から挑んだ.具体的には,今までよく知られたエストロゲンとして17beta Estradiol以外に,閉経後女性に極端に減少しているestrogenic steroidがあるのではないか,という仮説に立って,研究を進めた.なぜなら,17beta Estradiolを閉経後に補充しても,閉経後うつ病は予防できないことが定説となっており,またこのことが,内分泌学のひとつの大きな謎であるからである. 健康正常群男女とうつ病の経験者男女の合計4群において,血液中ならびに唾液中のステロイドホルモンを,感度と特異性に優れた液体クロマトグラフィー質量分析法を用いて,定量的に比較し,内因性estrogen receptor beta選択的アゴニストがうつ病の病態生理に関与するという仮説を検証した.日内変動の可能性を考慮し,唾液・血液の採取は午前10時と定めた.月経周期の影響を避けるため,対象年齢をおおむね60歳以上とした.うつ病患者については,その精神的負担を考慮して,実験参加の依頼は寛解期に行った.体重,身長,腹囲,体脂肪率,飲酒歴,喫煙歴, 既往歴,常用薬,など基礎データもあわせて収集した. H24年度,H25年度と少しずつ被験者が集まったが,一定の結論を出すには不十分であり,H26年度に1年間の研究期間延長申請をしてこれが認められた. その結果,現在およそ目標症例数に達したため,データを詳しく解析中である.興味深い知見が得られたので,論文投稿準備中である.
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