2013 Fiscal Year Research-status Report
ドパミン系とグルタミン酸系との調節因子DARPPのコントローラーPin1の解析
Project/Area Number |
24791220
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
日野 瑞城 福島県立医科大学, 医学部, 研究員 (80396663)
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Keywords | DARPP32 / Pin1 / リン酸化 / 統合失調症 |
Research Abstract |
統合失調症発症の原因として中枢神経系の伝達物質の観点からドパミンおよびグルタミン酸を介したシグナル伝達系の異常が提唱されている。DARPP-32は蛋白質フォスファターゼ1(PP1)の脱リン酸化活性の抑制およびプロテインキナーゼA (PKA)の活性化の抑制をリ ン酸化依存的に行っているが、そのリン酸化レベルの調節はドパミン刺激、グルタミン酸刺激によって拮抗的に調節されている。DARPP-32には四ヶ所(T34, T75, S97, S130)のリン酸化サイトが存在し、T34, T75のリン酸化はそれぞれPP1, PKAの阻害に関与しておりS97,S130はT34, T75のリン酸化-脱リン酸化を調節しているものと考えられている。このようにDARPP-32はドパミン、グルタミン酸両経路の下流にあって双方のシグナルを集約してキナーゼ・フォスファターゼへとシグナルを伝達する脳内因子である。DARPP-32は統合失調症との関連において検討されており、我々も統合失調症患者死後脳サンプルを用いてDARPP-32, PP2B (DARPPを脱リン酸化する)の脳内における分布の解析をおこなっている(Kuniiら 2011 a, Kuniiら 2011 b, Nishiuraら2011, Wada, Hinoら2012)。 Pin1はペプチジルプロリル-シストランスイソメラーゼの一種で基質蛋白質のセリンスレオニン残基のリン酸化に依存して異性化を行う蛋白質である。本研究ではPin1がリン酸化依存的にDARPP-32を異性化する可能性について解析を行なっている。現在は生化学的解 析のためDARPP-32、Pin1のコンストラクトを作成し、リコンビナント蛋白質の発現を行なっている。同時に in silico 解析をすすめ、DARPP-32 上の予想されるPin1結合部位の配列解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
リコンビナントタンパク質の精製条件の決定に時間がかかっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画からは若干の遅れがあるものの、このまま研究を進めることで目的に到達できるものと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
統合生物学データベースIPAの使用により、実験によって検索すべき対象が大幅に絞られたため。 引き続き、分子生物学的、生化学的解析のための消耗品等に当てる。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Elevated Postmortem Striatal t-DARPP Expression in Schizophrenia and Associations with DRD2/ANKK1 Polymorphism.2014
Author(s)
Yasuto Kunii, Itaru Miura, Junya Matsumoto, Mizuki Hino, Akira Wada, Shin-Ichi Niwa, Hiroyuki Nawa, Miwako Sakai, Toshiyuki Someya, Hitoshi Takahashi, Akiyoshi Kakita, Hirooki Yabe
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Journal Title
Progress in Neuro-Psychopharmacology and Biological Psychiatry
Volume: in press
Pages: 0
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] X Irradiation Changes Dendritic Spine Morphology and Density through Reduction of Cytoskeletal Proteins in Mature Neurons.2013
Author(s)
Katsuyuki Shirai, Toshiyuki Mizui, Yoshiyuki Suzuki, Masahiko Okamoto, Kenji Hanamura, Yukari Yoshida, Mizuki Hino, Shin-Ei Noda, Wael S Al-Jahdari, Arnab Chakravarti, Tomoaki Shirao,
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Journal Title
Radiation Research
Volume: 179
Pages: 630-636
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 統合失調症死後脳内タンパク質発現解析および 発現量が変動したタンパク質の局在解析; 質量分析法による網羅的及び標的指向的な二種の定量解析を用いて2014
Author(s)
國井泰人,大槻純男,瀧澤陽平,日野瑞城,松本純弥,和田明,赤津裕康,橋詰良夫,山本孝之, 瀬藤光利, 寺崎哲也,丹羽真一,矢部博興
Organizer
統合失調症学会
Place of Presentation
京都
Year and Date
20140314-20140315