2012 Fiscal Year Research-status Report
PTSDモデル動物におけるNFκBを標的としたバイオマーカー探索研究
Project/Area Number |
24791225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
吉井 崇喜 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50468261)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ストレス / PTSD / 動物実験 / MRI |
Research Abstract |
中央研究室MRI実験室にある横置き型MRI(Agilent社製,横置き型マグネット,7.04T,ボア径310mm )を用いて実験を開始している。今年度の研究進度は本機を用いて解析を行うための撮影条件の検証に留まっている。 動物種(ラット・マウス)による条件変化、T1強調、T2強調、T2*強調など撮影方法、生体・灌流固定後などの条件を変化させ検証を行った。また、コイルの性能による変化が大きいためRFコイルを購入しボリュームコイルと比較し撮影条件を検証した。 結論として、良好な解像度を得るためには潅流固定を行い、フッ素系不活性液体(フロリナート 3M社TM)のような電気絶縁性が非常に高い液体に浸漬してアーチファクトを取り除くことで良好な解像度とコントラストを得られることが判明した。また、撮影条件についてはT2強調(スピンエコーもしくはファーストスピンエコーによる撮影)が灰白質・白質・脳脊髄液のコントラストを得るために必要と判明している。生体条件では外耳道から内耳の空気によるアーチファクトが大きく、扁桃体部分に影ができてしまい、voxel based morphometryを用いた解析に見合う画像が得られない。この解析方法は均質な信号が要求されるため、結論として潅流固定を行い、頭蓋骨ごと脳を摘出してフロリナ―トに浸漬し、脳を傷つけずにアーチファクトを減らして撮影することが重要である。蒸気に加えてボリュームコイルでT2強調による撮影を行えば良好なコントラストを得やすいと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
・他の研究者との兼ね合いでMRI装置の使用時間が制限を受けている面があり、当初よりの遅れにつながっている。撮影プロトコールの工夫により今後は効率化を目指したい。 ・精神科関連の研究においては生体でのMRI撮影プロトコールが一般的であるが、左記のプロトコールでは解析に耐えうる良好な画像を得られないという結論に至るまで非常に長い時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度決定した撮影プロトコールを基に、PTSDのモデルストレスを負荷した個体と対照個体の撮影を重ね、比較し検討する(撮影プロトコール決定後はMRIによる解析はスムーズに進むと考えている)。比較する手法はvoxel based morphometryによる網羅的解析を検討している。有意な結果が出れば同部位を免疫組織化学などの手法を用いて顕微鏡による解析を行う(NF-κB、グルココルチコイド受容体など)。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
MRI使用料として年間40万円程度、動物購入費として40万円~60万円程度。試薬購入費として20万円程度。その他消耗品として20万円程度を検討している。
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