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2012 Fiscal Year Research-status Report

胎生期グルココルチコイド曝露モデルを用いた神経発達障害仮説の検討

Research Project

Project/Area Number 24791229
Research InstitutionIwate Medical University

Principal Investigator

福本 健太郎  岩手医科大学, 医学部, 助教 (00514407)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywordsグルココルチコイド / シナプス形成障害 / 神経ネットワーク形成 / 細胞骨格 / 拡散テンソル画像
Research Abstract

大脳皮質形成・神経ネットワーク形成障害は思春期・成人期以降の精神疾患発症リスクを高めるという報告がある。そこで本研究では胎生期グルココルチコイド過剰曝露モデルを用いて、1. 大脳皮質形成障害 2. 神経分化およびネットワーク形成過程障害を分子メカニズムレベルで解析することを目的とした。平成24年度は初代海馬神経培養細胞を用い、グルココルチコイド過剰曝露がスパイン形成へ及ぼす影響を検討した。
培養神経細胞に対し21-24日間慢性的にグルココルチコイド投与を行った。その結果、スパインに存在するF-アクチンが不安定化しスパインの肥大化を阻害させることで、マッシュルーム型スパインの割合を減少させることを確認した。またスパインには細胞骨格蛋白質の一つであるカルデスモンが存在している。光褪色後蛍光回復法(FRAP)および生細胞内アクチン動態観察用ベクターを用いた実験によりカルデスモンが発現量依存性にF-アクチンの安定性を変化させることでスパインサイズを調整していることを発見した。なおカルデスモン発現量はグルココルチコイド容量依存性に血清応答因子(SRF)を介して抑制される。これらの結果よりグルココルチコイドによるマッシュルーム型スパイン割合減少のメカニズムの一つとしてカルデスモンが関与していることを証明した。
次に、神経ネットワークに与える影響を解析するため、胎生期にグルココルチコイド曝露されたラット青年期における神経ネットワークを拡散テンソル撮像法にて検討した。白質部における軸索走行の異方性を解析した結果、グルココルチコイド曝露群では軸索走行がコントロール群に比べてより異方性であることを発見した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成24年度は、神経分化およびネットワーク形成過程障害を分子メカニズムレベルで解析することを目的とし実験を行った。グルココルチコイド過剰曝露がスパイン形成へ及ぼす影響を検討するため、海馬神経培養細胞を用いた。結果グルコルチコイドによりマッシュルーム型スパインの割合が減少することを確認し、その分子メカニズムとして細胞骨格蛋白質の一つであるカルデスモンを同定することができた。
この研究成果は論文としてまとめ投稿し、その後採択されている。これらの結果を踏まえると平成24年度の研究状況は概ね順調に進展していると評価するに至った。

Strategy for Future Research Activity

最終年度である平成25年度も引き続き、胎生期グルココルチコイド過剰曝露モデルを用いて、1. 大脳皮質形成障害 2. 神経分化およびネットワーク形成過程障害に関して分子メカニズムレベルで解析する。1. 大脳皮質形成障害に関しては、大部分の介在ニューロンに存在するGABA合成酵素であるグルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)に緑色蛍光タンパク質(GFP)を導入したGFP-GAD67遺伝子改変マウスを用い、介在ニューロンの経時的細胞移動様式を観察する。
また、2. ネットワーク形成過程障害に関しては、高分解能を有する11.7テスラの磁気共鳴画像法を用い解析を行う。前頭前野・海馬・扁桃体・線状体などにおける脳部位間の神経ネットワーク形成を詳細に検討するため、拡散テンソル画像法を用いて軸索束走行やその投射部位を解析する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度は、初代海馬神経培養細胞を用い、グルココルチコイド過剰曝露がスパイン形成へ及ぼす影響を検討した。動物購入予定数を下回る導入数にて実験成果を得ることができ、それに伴う試薬およびガラス・プラスチック実験器具の購入費も抑えられたため次年度使用金額が生じることになった。
平成25年度も実験検討項目は異なるが、同様に胎生期グルココルチコイド過剰曝露モデル動物を用いて実験を行う。平成25年度に繰り越しとなった予算はモデル動物を作成するための実験動物購入に加え、生化学解析に用いる実験試薬やガラス・プラスチック実験器具の購入費として使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Glucocorticoid suppresses dendritic spine development mediated by down-regulation of caldesmon expression.2012

    • Author(s)
      Tanokashira D, Morita T, Hayashi K, Mayanagi T, Fukumoto K, Kubota Y, Yamashita T, Sobue K.
    • Journal Title

      Journal of neuroscience

      Volume: 32 Pages: 14583-14591

    • DOI

      10.1523/JNEUROSCI.2380-12.2012

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 胎生期グルココルチコイド曝露が出生後脳形成に与える影響2012

    • Author(s)
      福本健太郎, 他
    • Organizer
      第108回日本精神神経学会
    • Place of Presentation
      札幌コンベンションセンター・札幌市産業振興センター
    • Year and Date
      20120524-26

URL: 

Published: 2014-07-24   Modified: 2023-03-16  

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