2013 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸リチウムの性成熟期前投与における精巣の発達への影響
Project/Area Number |
24791234
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
寺山 隼人 東海大学, 医学部, 講師 (00384983)
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Keywords | マウス / 炭酸リチウム / 精巣 / 精子形成 |
Research Abstract |
炭酸リチウム(lithium carbonate)は、予防・治療薬として特に躁うつ病、うつ病に汎用されている。躁うつ病は遺伝要因の関与が高いといわれており、患者の約25%は15歳(思春期)以下で発症し、慢性化することが多く、再発率が高い。したがって、炭酸リチウムを長期にわたり内服することは珍しくない。リチウムは生体内で甲状腺や内分泌の機能調節に極めて重要な働きをしており、過剰状態では筋肉攣縮、成長障害、腎障害などを生じることが知られている。最近、性成熟期後の実験動物に炭酸リチウムを長期投与すると精巣機能に異常が起きることが報告された。しかし、性成熟期前の炭酸リチウム投与が精巣の発達や機能に与える影響を調査した報告はない。25年度は性成熟期前の雄マウスに炭酸リチウムを投与し、精巣の発達や機能に与える影響を検討した。24年度に決定されたリチウム濃度をふまえ、3週齡ICRマウスの雄に0.05(3.5mg/day)%、0.01(700ug/day)%炭酸リチウム含水道水およびコントロールとして水道水を3ヶ月与えた(自由摂取:5ml/day)。0.05、0.01%炭酸リチウム群およびコントロール群の3ヶ月後精巣をテクノビット包埋し、ヘマトキシリンエオジン染色で精子形成障害程度を光学顕微鏡下で観察した。また、mRNAを抽出し、サイトカインおよびタイトジャンクション因子の発現をリアルタイムPCRで検討した。結果は0.05および0.01%炭酸リチウム群は精細管内の精細胞の脱落(特に精子細胞や精母細胞)を認めたが、コントロールに比べて有意な差はなかった。また、タイトジャンクション因子にも有意な差はなかった。しかし、精巣内のサイトカインのmRNA発現は炎症性サイトカイン(IFN-gamma、TNF-alpha)の有意な低下を認めた。さらに、マクロファージ数が有意に減少していた。したがって、炭酸リチウムの摂取は精巣内免疫環境に影響を与える事がわかった。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Effects on the local immunity in the testis by exposure to di-(2-ethylhexyl) phthalate (DEHP) in mice.2013
Author(s)
Kitaoka M, Hirai S, Terayama H, Naito M, Qu N, Hatayama N, Miyaso H, Matsuno Y, Komiyama M, Itoh M, Mori C.
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Journal Title
J Reprod Dev
Volume: 59
Pages: 485-490
Peer Reviewed
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