2015 Fiscal Year Annual Research Report
レム睡眠行動障害の実態調査とアルファシヌクレイノパチーへの発展予測因子の解明
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24791235
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
咲間 妙子 (笹井妙子) 東京医科大学, 医学部, 講師 (70419026)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | レム睡眠行動障害 / REM sleep without atonia / ドーパミンアゴニスト / 認知機能 / 脳波 / 周波数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦におけるレム睡眠行動障害(RBD)の実態調査、ならびに同疾患からα-シヌクレイノパチーへの発展予測因子の解明を試みた。はじめに、RBD患者の服薬状況について調査し、RBD症状およびREM sleep without atonia(RWA)に対するドーパミンアゴニストの効果への関連要因を探索した。三か月以上同薬剤を服薬している98名の連続例について後方視的に調査したところ、61.7%で効果が認められており、その効果を規定する要因はRWAの出現量であった(カットオフ値:16.8%)。本結果より、RWA出現量の少ない軽症例ではドーパミンアゴニストが効果的であることが示唆された。次いで、国際共同研究により、RBD症状がなくRWAのみ出現している者(isolated RWA)についての調査およびRWAの定量評価を行ったところ、RBD症状はなくともRBDの診断カットオフ値を超える者が50名中7名(14%)にも上った。本結果より、isolated RWA例が潜在的RBDといえるか否かを明らかにする追跡調査の必要性が示唆された。最後に、RBD患者における認知機能低下に関連する要因の探索を行った。31名の特発性RBD患者(70歳以下:17名、70歳以上:14名)と70歳以下の患者例に年齢・性別をマッチさせた健常群17名について、認知機能検査(MoCA, MMSE)および夜間睡眠脳波の周波数解析を行ったところ、患者全例の76.5%で軽度認知機能低下が認められ、さらに70歳以下の者では健常群に比して覚醒中とレム睡眠中の速波成分の減少を示した。また、重回帰分析を行ったところ、認知機能検査得点と関連するのはレム睡眠中の後頭の徐波成分量と嗅覚機能得点であった。これら一連の研究により、本邦における特発性RBDの実態、潜在例の存在ならびに同疾患における認知機能低下の関連因子が明らかにされた。
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[Journal Article] Epileptic Seizure Prediction Based on Multivariate Statistical Process Control of Heart Rate Variability Features2015
Author(s)
K. Fujiwara, M. Miyajima, T. Yamakawa, E. Abe, Y. Suzuki, Y. Sawada, M. Kano, T. Maehara, K. Ohta, T. Sasai-Sakuma, T. Sasano, M. Matsuura, and E. Matsushima
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Journal Title
IEEE Transactions on Biomedical Engineering
Volume: PP(99)
Pages: 1-11
DOI
Peer Reviewed
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