2012 Fiscal Year Research-status Report
N-acetylcysteineの精神病発症予防効果の検討
Project/Area Number |
24791239
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
三宅 誕実 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (60534237)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Nアセチルシステイン |
Research Abstract |
本研究は、統合失調症の発症危険状態(At Risk Mental State: ARMS)に対するN-acetylcysteine(NAC)の精神病発症予防効果を、前向き縦断的研究により明らかにすることを目的としている。 聖マリアンナ医科大学神経精神科・統合失調症治療センターのARMS症例に対する特殊外来において、治療選択肢の一つとしてNAC臨床試験を実施している。平成24年度は、聖マリアンナ医科大学生命倫理委員会の承認を得るため、試験デザインの改訂(2アームに減らす等)が必要であり、7月付で承認を得ることができた。 研究開始の準備をしながら症例のリクルートを行っていたが、想定していたよりも症例数が少なく進捗が思わしくなかった。そのため、近隣の学校やクリニックに、疑わしい症例がいた場合は紹介いただけるよう連携をお願いし、再度プロトコールを改訂した。また、慢性期統合失調症患者との比較を目的に、慢性期症例のNAC臨床試験を並行して開始し、倫理委員会の承認を得た。したがって、実質冬にかけてNAC臨床試験の体制が整った状況であった。 本年度はARMS疑いの初診患者のうち、実際にエントリー基準を満たす5例に対して臨床試験の説明を行い、同意取得2名、少なくとも2回の臨床評価を実施した症例が1名に留まっている。また、慢性期症例は同意取得3名であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成24年度は、臨床試験開始までの下地を整備するのに想定以上の時間を要した。また、予定していたよりも受診するARMS症例数が少なく、初診患者のなかでもエントリー基準を満たす“純粋な”症例は更に少なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、近隣学校や医療機関に対する定期的なアナウンスなども心がけ、引き続き症例のエントリーに努める。半年間の長期試験であるため脱落する症例が多く、進捗が聖マリアンナ医科大学病院のみで難しい場合は、参加施設の追加といった対応を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度同様にNAC臨床試験負担分に使用する予定である。途中経過で特徴的な結果が得られた場合は、国内外の学会などにて一部データを発表する可能性があり、解析および発表のために研究費を使用する予定である。
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