2012 Fiscal Year Research-status Report
DSMー5のチック関連性強迫性障害の妥当性、信頼性、臨床的有用性に関する検討
Project/Area Number |
24791243
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
林田 和久 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (40595419)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 強迫性障害 / チック関連性 / 治療抵抗性 / DSM-V |
Research Abstract |
本研究では、一般人口中の生涯有病率が2%と高率される強迫性障害(obsessive-compulsive disorder; OCD)について、DSM-5の改訂により新たなサブタイプとして導入される予定の「チック関連性OCD」の妥当性・信頼性を、本邦OCD患者を対象に検証することを目的として実践している。研究初期の本年度は特に、このタイプのOCD患者の症候学的特徴のデータを集積し、診断カテゴリーと照らし合わせて整合性を検証していくとともに、新たな診断のメルクマールとなる要素の検出を図っている。 この内容については、第4回不安障害学会学術総会、第108回日本精神神経学会学術総会において学会報告を行い、精神科治療学2012; 27、および精神科2012; 20にて論文投稿済みである。また、同学会報告や論文投稿では、有効な治療法の可能性について言及しているが、チック関連性OCDは治療抵抗性とされており、実際に頻度・程度の両面において有効性が高い治療法については、現在研究中である。今後は、研究の中心をこの新しい治療プロトコル作成にシフトしていき、治療法開発に重点を置いて研究を進めていきたいと考えている。具体的には、可能な限り多くの治療プロトコルを考案し、それぞれについて有効性を検証し、幅広く患者がその利益を享受できるようにプロトコールを簡便化していく必要があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的であるチック関連性OCDの診断に関する妥当性・信頼性の検証は当初の予定通り進行していると考えている。今後は本研究のもう一つの目的であるチック関連性OCDに関する治療開発についての研究を進めていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的であるチック関連性OCDの診断に関する妥当性・信頼性の検証は当初の予定通り進行していると考えている。今後は本研究のもう一つの目的であるチック関連性OCDに関する治療開発についての研究を進めていきたいと考えている。チック関連性OCDは治療抵抗性とされており、実際に頻度・程度の両面において有効性が高い治療法については、現在研究中である。今後は、研究の中心をこの新しい治療プロトコル作成にシフトしていき、治療法開発に重点を置いて研究を進めていきたいと考えている。具体的には、可能な限り多くの治療プロトコルを考案し、それぞれについて有効性を検証し、幅広く患者がその利益を享受できるようにプロトコールを簡便化していく必要があると考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
チック関連性OCDについての治療プロトコルの開発において、可能な限り多くの治療プロトコルを考案し、それぞれについて有効性を検証し、幅広く患者がその利益を享受できるようにプロトコールを簡便化していく必要があることは先に述べた。具体的には、治療プロトコルの有効性・妥当性を検証する目的で、多数のデータ解析を必要とするため、主にハード・ソフト面での費用が必要である。また、プロトコル簡便化のために、多数のOCD治療に関わっている医師の意見や実際の使用感の情報が必要であるため、学会発表、論文投稿、および国際会議出席などが必要となる。
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