2012 Fiscal Year Research-status Report
グルタミン酸受容体及びカンナビノイド受容体に着目した統合失調症陰性症状の病態解明
Project/Area Number |
24791245
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
上松 謙 久留米大学, 高次脳疾患研究所, 助教 (60441672)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 精神薬理学 |
Research Abstract |
実験計画に基づき、代謝型グルタミン酸受容体5の刺激により、カンナビノイド受容体1の内因性リガンドである2-アラキドノイルグリセロールの放出をin vitro実験で測定を行うため、株化培養細胞に代謝型グルタミン酸受容体5のクローニングを行い、目的遺伝子を哺乳類発現ベクターに組み込む遺伝子操作を行った。株化培養細胞(HEK293細胞、N2a細胞)に遺伝子導入を行い、一過性発現ではその発現が確認された。現在は、安定発現細胞を構築中である。また、同時進行で、カンナビノイド受容体1(CB1R)のクローニングも行い、同様に目的遺伝子をベクターに組み込み、培養細胞に遺伝子導入を行って発現を確認した。しかし、CB1Rは、発現確認作業が未達成であり、再度作成している状態である。 マウス線条体スライスを用いて、CB1Rアゴニスト、アンタゴニスト刺激により、シナプス後細胞に特異的に発現するリン酸化蛋白dopamine- and cAMP-regulated phosphoprotein of 32 KDa (DARPP-32) のリン酸化を、ウエスタンブロット法での測定実験を行っている。ここでは、 CB1Rアゴニストによって、DARPP-32のスレオニン34残基(Thr-34)リン酸化が亢進する新たな知見が得られた。この効果は、近接するドーパミンD2受容体、アデノシンA2a受容体のアゴニスト、アンタゴニストで修飾を受けることから、受容体間の密接な関係が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目的遺伝子である、カンナビノイド受容体1を発現させるため、クローニング、発現ベクターへの組み込み、培養細胞に遺伝子導入し発現確認、が未達成である。様々な原因が考えられるが、目的遺伝子に、タグ蛋白を付与した新たなベクター設計を行い、早急に発現が確認されるように実験を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
実験計画に基づき、ひとつひとつの課程、実験準備、計画を遂行していきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験に使用する、試薬、抗体、遺伝子導入試薬やベクター、実験動物(マウス)、等の購入に研究費を使用する計画である。実験結果は、研究会、学会で報告し議論する目的で、脳科学会、薬理学会への参加を検討しており、その旅費として使用を計画している。
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