2013 Fiscal Year Annual Research Report
双極性障害モデルマウスでの視床室傍核の機能異常の解明
Project/Area Number |
24791247
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
加藤 智朗 独立行政法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (40598439)
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Keywords | 精神疾患 |
Research Abstract |
当研究室で作成した前脳神経で変異型polymeraseγを発現するトランスジェニックマウス(以下、mutPolg1 Tg)は双極性障害と類似した表現型を示す。このマウスは変異型polymeraseγの発現量とは相関なく視床室傍核等の領域において部分的に欠失したミトコンドリアDNAを多く蓄積する。視床室傍核がどういった特徴を持つかを明らかにするために、視床室傍核やその他、扁桃体中心核、内側前頭前野、視床下部室傍核といった双極性障害との関連が示されている脳領域を含めてRNAを抽出しマイクロアレイを用いて遺伝子発現解析を行った。その結果、視床室傍核は他の領域よりもミトコンドリア関連、特に酸化的リン酸化に関わる遺伝子の発現が高いこと、コレステロールの合成に必要な酵素をコードする遺伝子の発現レベルが高いことが明らかになった。しかし、これらのシグナル経路に関係する個々の遺伝子が野生型マウスとmutPolg1 Tgで有意に異なるという結果はこれまでのところ得られていない。野生型マウスとmutPolg1 Tgでの発現比較では各脳領域で複数の遺伝子に有意な差があったが、それらが行動異常の原因であるか結果であるかに関して検討するにはサンプリングする際のマウスの状態を考慮する必要があると考えられた。そのため、行動解析中に変化が見られた時点でマウス脳をサンプリングし、RNAを抽出する実験を行った。c-fosやpCREBといった神経活動性を示すマーカーの免疫組織染色により、関連する脳領域を同定しようと試みたが、これらのマーカーの発現状態は非常に短期間で変化する為、サンプリング直前の状態による影響が大きく、長期間続く行動変化の指標とすることは困難であった。そのため、DREADDという薬理遺伝学的に神経を活性化させる方法を用いて視床室傍核を中心とした神経回路の機能を調べるための実験を開始した。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] Gene expression analysis of mood disorder model mice expressing mutant form of mitochondrial DNA polymerase in the forebrain2013
Author(s)
Kato, TM., Komori, A., Kubota-Sakashita, M., Kasahara, T., Kato, T。
Organizer
Neuro2013
Place of Presentation
国立京都国際会館,京都府
Year and Date
20130620-20130623