2012 Fiscal Year Research-status Report
自閉症スペクトラム障害児童の限局的反復的行動に関連するバイオマーカーの探索
Project/Area Number |
24791253
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
中鉢 貴行 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 児童思春期精神保健研究部, 科研費研究員 (40615530)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム障害 |
Research Abstract |
平成24年度の研究では、自閉症スペクトラム障害のバイオマーカーとして以前からたびたび報告されている小脳体積の減少に着目し、限局的反復的行動を中心とした自閉症症状との相関を調べることを目的とした。 そのために、自閉症スペクトラム障害患者および定型発達者の構造MRIを撮影した。さらに、自閉症スペクトラム障害に関連した臨床的行動指標として、Wechsler Inteligence Scale、Autism Diagnostic Obsesrvation Schedule、Autism Diagnostic Interview、Social Responsiveness Scale、Autism-Spectrum Quotient、Developmental Coordination Disorder Questionnaire、AD/HD Rating Scale、Social and Communication Disorders Checklist、Strengths and Difficulties Questionnaire、PedsQL,WHOQOL、Liebowitz Social Anxiety Scale、およびアイトラッカーによる眼球運動測定を実施した。 また、上記により取得したデータを解析するために、統計解析ソフトであるSPSS Base System、MatLabと解析のためのノートパソコン及び書籍を購入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構造MRIの撮影および臨床的行動指標の計測は、自閉症スペクトラム障害児童2名、定型発達児童10名に実施した。 また、成人においても同様の計測を行い、自閉症スペクトラム障害者8名、定型発達者11名からデータを収集した。 これは、当初の予想を上回るデータ数であり、順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の前半では、前年度と同様なデータのさらなる蓄積を試みる。特に、自閉症スペクトラム患者の数を増やすために、ホームページなどを通じて参加を呼び掛ける。 後半においては、これらのデータの解析を行う。MRIのデータから小脳の特に虫部を中心とした体積を、SPM8およびMatLabを利用することにより算出し、自閉症スペクトラム患者と定型発達者との間で比較する。さらに、定量化された自閉症スペクトラム障害の症状の臨床指標と小脳体積の間の相関解析を行い、自閉症スペクトラム障害のどのような症状が小脳体積のバイオマーカーに関与しているのかの検出を試みる。 また、自閉症スペクトラム障害に特異的な眼球運動および注意機能のパターンを解析し、小脳体積との関わりを考察する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
繰り越し額と次年度予定額の合計988284円の内、被験者への謝金に200000円、旅費に250000円、学会参加費に45000円、論文作成時の英文校閲費に200000円、学術誌投稿費用に40000円、MatLabの更新費用に70000円、統計ソフトIBM SPSS Regression購入費用に102900円、図表作成ソフトPhotoshop購入費用に85000円支出を予定している(残384円)。
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Research Products
(2 results)