2013 Fiscal Year Research-status Report
動体追跡装置を用いた『体内臓器の動き』のモデル化に関する研究
Project/Area Number |
24791264
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 隆介 北海道大学, 大学病院, 助教 (00400052)
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Keywords | 放射線治療物理学 / データベース |
Research Abstract |
本研究では、これまでに構築してきた動体追跡放射線治療装置 (Real-time tumor tracking radiotherapy (RTRT) ) のデータベースをもとに、臓器の動きの解析、評価を行う。本研究の目的は臓器の動きのデータの評価、モデル化であり、平成25年度は、平成24年度に引き続き、呼吸性移動の評価として、時系列データの解析、評価方法および、ベースラインシフトと呼ばれる呼吸性移動の振動の基準の移動に関する解析、および臓器の動きからの除去方法について検討を行い、臓器の動きのモデル化の研究を行った。昨年度より解析データを増やし、動体追跡装置から出力されるデータの変換効率をあげるとともに、統計をあげた解析を行った。 また、本研究で必要となるデータ解析におけるデータ処理の高速化や大きな容量のデータに対応するために、分散処理システムの仕様を確定し、サーバシステムを購入した。サーバ上に解析のためのシステムを構築し、これまでウェブサーバ上で行っていたデータ処理、解析および画像処理を分散処理システム上で行わせるようにシステムを構築し、解析の高速化や大容量データへの対応を行った。 本年度の解析の結果、患者の動きを単純な周期的な関数で取り扱うことは難しいと判断し、そのための対策方法および評価方法を検討した。平成 26 年度は、この検討をもとに新しい解析機能を分散処理システムに実装するとともに、その解析機能により得られた結果と実際の動きとを比較することでモデルの評価を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、動体追跡装置のノイズの除去を行い、呼吸性移動の評価方法を確定し、システムへの実装を行う予定であったが、ノイズの除去のために必要となる新しい動体追跡装置のデータが、臨床への導入が遅れたため入手することができず、現在は実装の途中である。
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Strategy for Future Research Activity |
動体追跡装置そのものに起因するノイズの除去を、新しい動体追跡装置から得られるデータをもとに行う。その上で、動体追跡装置から得られる臓器の動きに関するデータの解析結果をまとめる。患者の動きは周期的ではないために、簡単な cos の関数での取り扱いが難しいことがこれまでの解析により課題として残された。この課題に関しては、一周期ごとのデータを取り出し、そのデータをモニタしている期間で平均化するような対策によりモデル化を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究では、体内臓器における動きの詳細な評価を行う上で、動体追跡装置そのものに起因するノイズの除去が必要となる。ノイズ量に関しては、現在開発されている新しい動体追跡装置から得られるデータとの比較により検討を予定していたが、新しい動体追跡システムの開発が遅れたため、本研究におけるノイズの比較検討も遅れ、解析の計画を変更し、学会等での発表の次期を遅らせる必要が生じたため、次年度使用額が生じた。 新しい動体追跡装置の結果を含めた解析と、論文、学会での発表を次年度に行うこととし、次年度使用額はその経費に充てることとしたい。
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Research Products
(1 results)