2014 Fiscal Year Annual Research Report
扁平上皮癌の発育進展および放射線感受性に関する時計遺伝子DECの機能
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24791265
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
清野 浩子 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (30598727)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 食道癌 / 時計遺伝子 / 治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
時計遺伝子DEC1 (BHLHE40/Stra13/Sharp2)とDEC2 (BHLHE41/Sharp1)はbasic helix-loop-helix (bHLH)型転写因子であり、アポトーシス制御など生体における様々な生理現象に関与する。しかし、食道癌におけるDEC1およびDEC2の発現意義は不明である。今回我々は、ヒト食道癌細胞株TE-10(高分化癌)、TE-5(低分化癌)におけるDEC1とDEC2のアポトーシスに関連した機能解析(主にシスプラチン処理)を行った。MTS-AssayやMayer's hematoxylin染色などによる解析では、TE-5よりもTE-10でより強い治療効果が認められた。TE-10へのシスプラチン処理では、アポトーシス関連因子が誘導され、DEC1は発現上昇、DEC2の発現は著変認めなかった。一方、TE-5へのシスプラチン処理では、アポトーシス関連因子が誘導され、DEC1とDEC2の発現は減少した。TE-10でsiRNAによるDEC1抑制を行いシスプラチン処理を行ったところ、アポトーシスは抑制された。TE-10でのDEC1過剰発現下におけるシスプラチン処理では、アポトーシスは促進した。TE-5でも、DEC1とDEC2それぞれの抑制および過剰発現下でシスプラチン処理を行ったが、アポトーシス関連因子への影響は認めなかった。これらの結果から、TE-10において、DEC1はシスプラチン処理下でpro-apoptotic機能を示すが、DEC2はアポトーシス作用を認めないことが明らかとなった。一方TE-5では、DEC1・DEC2ともに明らかなアポトーシス作用は認めないことが明らかとなった。これらの機能の違いは、食道癌細胞における分化度・遺伝的な違い、DEC1とDEC2の構造の違いに起因するものと考えられる。
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Research Products
(5 results)