2013 Fiscal Year Annual Research Report
ニトログリセリンの腫瘍血管拡張作用に基づく放射線増感作用に関する検討
Project/Area Number |
24791266
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
廣瀬 勝己 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60623767)
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Keywords | ニトログリセリン / 放射線増感 / A549 / 低酸素細胞 |
Research Abstract |
NTG(ニトログリセリン)もしくはISDN(硝酸イソソルビド)投与時の放射線の増感作用を検討した。培養したヒト舌扁平上皮癌細胞A549をBALBc nu/nuヌードマウスの右大腿皮下に移植した。腫瘍成育後、NTG 1 mg/kgもしくはISDN 0.1 mg/kgを皮下投与し、投与後すぐに放射線10Gyを照射した。対照をそれぞれの薬剤有無における非照射群とした。1日もしくは2日おきに腫瘍径を測定し、(腫瘍体積)=0.5×(長径)×(短径)^2 の計算式より腫瘍体積を得た。それぞれの群に於いて腫瘍増大速度を比較したが、NTGおよびISDNいずれの薬剤投与群も腫瘍増殖を抑制しなかった。さらに、放射線の抗腫瘍効果を増強する作用は示さなかった。 次に培養したヒト舌扁平上皮癌細胞A549をBALBc nu/nuヌードマウスの右大腿皮下に移植した。腫瘍が成長した時点で、NTG 1 mg/kgもしくはISDN 0.1 mg/kgを投与した。投与開始から2時間まで、腫瘍血流量をドップラー血流計で、腫瘍酸素分圧を酸素分圧計で測定した。腫瘍血流は光ファイバープローブを腫瘍内に5mm刺入し留置固定し5分ごとに腫瘍血流量を計測した。同時に腫瘍酸素分圧は測定電極を腫瘍内に5mm刺入し留置固定し、無感電極をマウス背部正中に貼付留置した。腫瘍血流量はいずれの薬剤の投与でも明らかな変化は認められなかった。ISDNを投与したとき、腫瘍酸素分圧に変化は認めなかったが、NTGを投与するとはじめ1時間から1時間30分までは腫瘍酸素分圧の変化は認めなかったもののそれ以降では10%程度の腫瘍酸素分圧上昇を認めた。
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