核医学画像診断による放射線心筋障害の早期検出のための前向き研究

2012 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 24791267
• Research Category: Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 高浪 健太郎 東北大学, 大学病院, 助教 (90447160)
• Project Period (FY): 2012-04-01 – 2016-03-31
• Keywords: 放射線心筋障害 / BMIPP

Research Abstract

研究課題の臨床試験登録（UMIN Clinical Trials Registry)を行い、学内倫理委員会の了承を得たのち、症例の募集・集積を開始した。当初の予定通り、食道癌に対する根治的放射線治療の適応があり、本研究に関してインフォームドコンセントが得られた症例に対して、照射の前、照射野変更前、照射後に放射性薬剤のI-123 15-(p-iodophenyl)-3-(R, S) methylpentadecanoic acid [I-123 BMIPP]を用いた心筋脂肪酸代謝画像検査、F18- fluoro-deoxy-glucose [F18-FDG] PET/CTを用いた心筋糖代謝画像検査を施行した。今年度はまず4症例がエントリーし、照射前後にそれぞれの画像検査が施行された。各検査施行の際に大きな問題はなく、脱落症例も見られなかった。今後、順調に症例数が伸びていくものと思われる。また、解析用のコンピュータを購入し、画像解析方法について検討を行った。心筋の心筋分割方法（17分割）と照射野との相関が明瞭な横断像による解析方法の２つを行うプロトコールに決定した。
その他、研究の初年度にあたる本年度は、当該研究分野の学会・研究会である欧州核医学会・学術集会（EANM 2013)、日本核医学会総会に参加し、情報収集を行った。他研究者とのディスカッションを通じて、今後の研究の推進に資する最新の情報を得ることができた。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当該年度は本研究初年度にあたり、研究課題の臨床試験登録と学内倫理委員会申請・承諾、症例の収集を予定していた。臨床試験登録は予定通りだったが、学内倫理委員会申請で、軽微な修正の提案があり、症例の収集開始がやや遅延した。そのため当初の予定では今年後20症例のエントリーを予定していたが、4例のエントリーにとどまった。いずれも検査中のトラブルや脱落症例は見られず、その後の症例数は順調に増加している。

Strategy for Future Research Activity

引き続き症例の蓄積を行い、目標の症例数の達成を目指す。逐次画像評価を行い、心筋の代謝変化と照射線量、照射野の関連について検討する。それと同時に対象症例の放射線心筋障害の発生の有無に関して、血液検査や生理学的検査を行い経過観察を行っていく。今年後の症例エントリー数がやや少なかったため、次年度の症例エントリー数を増やし、目標症例への早期達成を目指す。
また、当該研究分野に関する学会・研究会に参加することで、最新の知見を取得し、必要であれば解析方法等の修正を行っていく予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度使用額は、当初計画していた目標症例数に対する不足分を次年度に延期することによって生じたものであり、延期した症例に対して施行する核医学画像検査に使用する放射性薬剤「I-123 カルディオダイン注」の購入に必要な経費として、平成25年度請求額と合わせて使用する予定である。