2012 Fiscal Year Research-status Report
四次元断層撮影画像による肺機能画像の開発と放射線治療への応用
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24791268
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
角谷 倫之 東北大学, 大学病院, 助教 (20604961)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 適応放射線治療 / 肺がん / 4D CT |
Research Abstract |
本研究は、肺の四次元断層撮影画像(4D-CT画像)を使用して肺機能画像を作成し、その画像を利用した肺がんの放射線治療が臨床的に有効であるかを解明することである。今までは肺機能画像を取得するために追加検査が必要であり、かつその検査も容易に行う事ができなかった。しかし今回提案する方法では、肺がんの放射線治療患者において多くの病院でルーチンで撮影される4D-CT画像を使用することにより”Free”な情報から肺機能画像を作成でき、従来の方法に比べ簡易的に機能画像を作成することが可能となる。患者毎に肺機能画像を利用して肺機能を考慮した放射線治療を実現出来れば、肺がんの治療成績の向上ならびに肺の障害を減らすことができる。 今年度は、この肺機能画像作成において必要な画像変形(DIR)の精度評価を4種類のアルゴリズム(Demons, B-spline, Free Form Deformation, Horn & Schunck)で実施した。食道がん患者の4D-CT画像と300個の解剖学的指標を用いて、精度を評価した。結果は、Demons, Horn & Schunkでボクセルサイズ以下(2.5mm)の精度を達成する事ができた。ただ、B-splineで一部アルゴリズムを改良することで、さらなる精度向上が期待できることが確認できた。また、肺を模擬したファントムを開発しそのファントムにおいても精度を検証し、患者画像と同様の結果を得る事ができた。さらに、jacobian行列を用いた肺機能画像作成のフレームワークの構築にも成功した。これらは、4D-CT画像を用いた肺機能を考慮した放射線治療には必要不可欠の技術であり、これらの研究成果により一歩実現に近づいた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標は、画像変形の実施、精度評価と肺ファントムの作成であった。概ねこれらの目標を達成することができた。ただ、精度評価を実施後、一部のアルゴリズムでさらなる精度向上が期待できる事がわかり、その評価については来年度に実施せざるを得ない。ただ、来年度実施予定であった肺機能画像作成のフレームワークは今年度構築することができ、全体の進展度は、計画通りであると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
画像作成に必要なDIRのアルゴリズムおよびパラメータを最終決定する。その決定したアルゴリズムを用いて肺機能画像を作成し、精度を評価する。方法は、肺がん患者5名を用いて、その患者の肺気腫領域と作成した肺機能画像の低機能領域の一致度を定量解析する。最後に、後ろ向き試験にて肺がんの放射線治療を施行した患者において従来の肺機能を考慮していない放射線治療計画と今回の4D-CT画像を使用して作成した肺機能画像を考慮した放射線治療計画を作成し、線量評価指標や線量体積ヒストグラムを用いて解析し、臨床的に有効であるかを評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、当初計画していたDIRのアルゴリズムおよびパラメータの最終決定を次年度に延期することによって生じたものであり、延期したこの解析に必要な経費として平成25年度請求額と合わせて使用する予定である。
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Research Products
(4 results)