2012 Fiscal Year Research-status Report
強度変調放射線治療の強度分布を真に逆問題として解くための新手法の研究
Project/Area Number |
24791272
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土橋 卓 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70399806)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 線量計算 |
Research Abstract |
本研究は、強度変調放射線治療の強度分布を真に逆問題として解くための新しい手法の開発を目的としており、本年度はその準備段階として必要な基礎的な検討を行った。現在の強度変調放射線治療における最適化は、考えられるパターンを総当り的に計算し、そのうち、人為的に定められた目的関数を最小化するものとして“最適”な解を見つけている。本研究は、人為的な要素を排除し、粒子輸送を記述する基本方程式であるボルツマン方程式に基づいて真の最適解を求めることを目的としている。研究の柱は、①基礎方程式をコンピュータ上に適切にプログラムすること、②最新のハードウェア(GPU)を用いて計算を高速化すること、の2つである。研究初年度は、まず、1つ目の柱である、ボルツマン方程式に基づいた線量計算アルゴリズムのコンピュータプログラムへの落とし込みを主目的として研究を進めた。ボルツマン方程式に基づく線量計算には、モンテカルロ法および、離散化法の2つの方法があり、それぞれが同じ解を与えることで、アルゴリズムが正しいことを相補的に示すことができる。この2つの計算結果が一致することを確かめることがまず大切となる。現時点ではモンテカルロ法による線量計算の土台がほぼ固まった。離散化法によりこれと同じ結果を得られるかを現在検討中であり、平成25年度初めをめどに終えるつもりである。本研究のもう1つの柱である数値計算の高速化に関しては、GPUを購入し、現在、アルゴリズムの開発とあわせて、高速化の定量的評価を進めている。現時点では、基礎的な検討にとどまっているため、学会・論文等での報告は、当初の予定どおり、来年度以降となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に計画していた数値計算の基礎の構築は、やや予定よりも遅れ、平成25年度の初めまでに終える見込みであるが、平成25年度に予定していた数値計算の高速化の検討について、一部平成24年度で行ったことから、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
計画どおり、本年度に行った数値計算の基礎的検討に基づき、次年度は線量計算の最適化方法への応用について検討を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成25年度請求額と合わせ、平成25年度の研究遂行に使用する予定である。
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