2013 Fiscal Year Research-status Report
強度変調放射線治療の強度分布を真に逆問題として解くための新手法の研究
Project/Area Number |
24791272
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土橋 卓 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70399806)
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Keywords | 線量計算 |
Research Abstract |
本研究は、強度変調放射線治療の強度分布を真に逆問題として解くための新しい手法の開発を目的としている。現在の強度変調放射線治療における最適化は、考えられるパターンを総当り的に計算し、そのうち、人為的に定められた目的関数を最小化するものとして“最適”な解を見つけている。本研究は、人為的な要素を排除し、粒子輸送を記述する基本方程式であるボルツマン方程式に基づいて真の最適解を求めることを目的としている。研究の柱は、①基礎方程式をコンピュータ上に適切にプログラムすること、②最新のハードウェアを用いて計算を高速化すること、の2つである。研究初年度は、モンテカルロ法による線量計算の土台を固め、それをもとに、本年度は数値計算の高速化の検討を中心に行った。計画当初はボルツマン輸送に基づく方法のみでの最適化を考えていたが、研究を進める中で、その方針ではごく簡単な場合においても計算時間が膨大となるとの認識に至った。そこで、当初の予定を変更し、計算精度が下がるが高速に計算できるスーパーポジション法、ペンシルビームコンボルーション法をワークステーション上でコーディングすることを目指し、その計算速度、精度の検討を行った。計算に使用するハードウェアとしてはGraphics Processing Unit (GPU)ではなく、近年発表されたアーキテクチャであるIntel Xeon Phiを用いた方が開発効率全体の観点から望ましいとの認識から、使用するハードウェアを変更した。次年度以降、本年度で構築した線量計算アルゴリズムを用いて最適化問題を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究開始当初はボルツマン輸送に基づいた方法のみでの最適化を考えていたが、研究を進める中で、その方針では計算時間が膨大となることが判明し、当初の予定を変更し、計算精度が下がるがより高速に計算できるスーパーポジション法、ペンシルビームコンボルーション法をワークステーション上でコーディングする必要が認識された。このため、その工程分計画が遅れている。また、並列計算のための計算機を当初予定していたものから、最新のアーキテクチャに変更する方が開発効率全体の観点から望ましいとの認識に至り方針を変更したが、購入予定の計算機の発売が予定よりも遅れたため、研究期間を延長した。このため、当初の最適化の目的の観点では研究が遅れている
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Strategy for Future Research Activity |
購入予定の計算機と本年度で構築した線量計算アルゴリズムを用いて最適化問題を検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度には、最新の並列計算技術を利用した計算機を購入し研究を行う予定であったが、そのために必要な計算機の発売予定日が延期され、予定していた研究を行うことが困難となった。 未使用額は平成26年度分とあわせ必要な計算機等の購入費用に充てる。
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