2012 Fiscal Year Research-status Report
神経膠芽腫における放射線誘導HIF-1αのメカニズムと放射線抵抗性に関する探索
Project/Area Number |
24791277
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
白井 克幸 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (10400748)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 放射線抵抗腫瘍 / 神経膠芽腫 / HIF-1α / PDK-1 |
Research Abstract |
神経膠芽腫細胞株を複数の種類を用意し、各々の細胞をclonogenic survival assayおよびMTS assayを施行し放射線抵抗性を評価した。また、これらの細胞において照射後にウェスタンブロ ッティングを施行し、HIF-1αの発現量を解析した。放射線抵抗性を有する細胞株で、照射後のHIF-1αが有意に発現量が増加する事を明らかにした一方で、放射線感受性の細胞株では、HIF-1αの発現量に変化を認めなかった。神経膠芽腫細胞株において、照射誘導HIF-1α と放射線感受性は密接な関連があると示唆された。 照射によってHIF-1αが誘導されるが、そのダウンストリームでにおいて、どの蛋白が放射線抵抗性と関連するかは不明である。上記の実験条件で、HIF-1αのダウンストリームの蛋白(VEGF, BNIP3, PDK1)をウェスタンブロ ッティングで確認した所、PDK1の発現量が最も有意に照射により増加している事が明らかとなった。また、一方でVEGF、BNIP3は、神経膠芽腫細胞株では明らかな変化を認めなかった。今後、HIF-1αならびにPDK1が、どのように放射線治療抵抗性因子としての働いているか、明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた実験のほとんどは遂行出来ており、結果も予想される物であった。
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Strategy for Future Research Activity |
HIF-1αおよび上記の実験で放射線抵抗性因子の候補であるPDK1について、膠芽腫患者の手術標本を用いて蛍光免疫染色 を行い、臨床的な放射線抵抗性について検討する。これまで、HIF-1αは放射線抵抗性といわれているが、神経膠芽腫を対象とした免疫組織学的検討で、予後の有意な違いは報告されていない。術後に放射線治療を施行した患者症例群の病理標本を用い蛍光免疫組織学的検討を行い、HIF-1αおよびその標的遺伝子の発現量を検討する。蛍光染色したプレパラートを蛍光顕微鏡にて撮 影し、研究用画像解析ソフト(Metamorph)を用いて解析する。蛍光標識された腫瘍細胞の数および蛍光の強度について、定量・定性的に解析し、患者群を陽性群と陰性群に分ける。当院での脳腫瘍患者(膠芽腫患者)のデータベースより、 放射線治療の一次効果、局所制御率および全生存率を判定し、陽性群と陰性群でどのように予後に影響を与える かを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度配分経費に26万8951円の未使用額が生じたが、これは、研究の一部を翌年度に行うために、経費を残したためである。 蛍光免疫染色の結果を解析する研究用画像解析ソフト(Metamorph)および、その研究用のコンピューター、データ蓄積用の外付けHDDを要する。また、免疫染色の抗体(HIF-1α、PDK1)と免疫染色用の各試薬を要する。 これまでの研究結果ならびに、今後の研究結果について、国内の放射線生物学会や国際学会に発表し、最終的に論文作成(校正費や投稿費)に研究費を使用する予定である。
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[Journal Article] X Irradiation Changes Dendritic Spine Morphology and Density through Reduction of Cytoskeletal Proteins in Mature Neurons.2013
Author(s)
Shirai K, Mizui T, Suzuki Y, Okamoto M, Hanamura K, Yoshida Y, Hino M, Noda SE, Al-Jahdari WS, Chakravarti A, Shirao T, Nakano T.
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Journal Title
DOI
Peer Reviewed
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