2013 Fiscal Year Research-status Report
神経膠芽腫における放射線誘導HIF-1αのメカニズムと放射線抵抗性に関する探索
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24791277
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
白井 克幸 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (10400748)
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Keywords | 神経膠芽腫 / 放射線抵抗性 / HIF-1α / PDK-1 |
Research Abstract |
神経膠芽腫細胞株を複数の種類を用意し、各々の細胞をclonogenic survival assayおよびMTS assayを施行し放射線抵抗性を評価した。また、これらの細胞において照射後にウェスタンブロッティングを施行し、HIF-1αの発現量を解析した。放射線抵抗性を有する細胞株で、照射後のHIF-1αが有意に発現量が増加する事を明らかにした一方で、放射線感受性の細胞株では、HIF-1αの発現量に変化を認めなかった。神経膠芽腫細胞株において、照射誘導HIF-1α と放射線感受性は密接な関連があると示唆された。HIF-1αのダウンストリームの蛋白(VEGF, BNIP3, PDK1)をウェスタンブロッティングで確認した所、PDK1の発現量が最も有意に照射により増加している事が明らかとなった。また、一方でVEGF、BNIP3は、神経膠芽腫細胞株では明らかな変化はなく、照射抵抗性とは関連性は低いと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
vitroにおける研究は概ね研究は遂行出来ているものの、ヒト手術標本を用いた蛍光免疫染色の実験は検体の集まりが悪く、未だ実行出来ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
HIF-1αおよび放射線抵抗性因子の候補であるPDK1について、膠芽腫患者の手術標本を用いて蛍光免疫染色を行い、臨床的な放射線抵抗性について検討する。これまで、HIF-1αは放射線抵抗性といわれているが、神経膠芽腫を対象とした免疫組織学的検討で、予後の有意な違いは報告されていない。術後に放射線治療を施行した患者症例群の病理標本を用い蛍光免疫組織学的検討を行い 、HIF-1αおよびその標的遺伝子の発現量を検討する。蛍光染色したプレパラートを蛍光顕微鏡にて撮影し、研究用画像解析ソフト(Metamorph)を用いて解析する。蛍光標識された腫瘍細胞の数および蛍光の強度について、定量・定性的に解析し、患者群を陽性群と陰性群に分ける。当院での脳腫瘍患者(膠芽腫患者)のデータベースより、放射線治療の一次効果、局所制御率および全生存率を判定し、陽性群と陰性群でどのように予後に影響を与える かを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
一部実行出来ていない実験があり、1年間延長とさせていただいた。 すでに、研究に必要な物品は購入しており、残額においては研究発表や論文投稿の経費で使用させていただく予定である。
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