2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24791280
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
萱野 大樹 金沢大学, 大学病院, 助教 (10547152)
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Keywords | 甲状腺癌 / 残存甲状腺組織 / 131I / 99mTcO4- / SPECT/CT |
Research Abstract |
昨年度の検討から、99mTcO4-シンチグラフィおよび99mTcO4- SPECT/CTが甲状腺全摘出後の残存甲状腺組織の同定に有用である可能性が示された。本年度は、131I内用療法後の残存甲状腺組織が焼灼されたかどうかの評価に99mTcO4-シンチグラフィが有用であるかどうかの検討を行った。昨年度に初回131I内用療法が施行された13例の分化型甲状腺癌患者のうち、9例で初回131I内用療法の半年から1年後に99mTcO4-シンチグラフィと診断的131Iシンチグラフィまたは2回目131I内用療法が施行された。診断的131Iシンチグラフィまたは2回目131I内用療法後撮像で残存甲状腺組織を認めたのはわずかに1例に1個であり、残存甲状腺組織焼灼の成功率は88.9%であった。一方、99mTcO4-シンチグラフィでは、残存甲状腺組織の検出はできなかった。これは、131I内用療法後では残存甲状腺組織が焼灼されるため、131I内用療法前と比較して残存甲状腺組織の量が減少し、残存甲状腺組織の検出が困難になったためと考えられる。昨年度および本年度の結果から、131I内用療法後の残存甲状腺組織の検出には99mTcO4-シンチグラフィは限界があるが、131I内用療法前の残存甲状腺組織の検出に99mTcO4-シンチグラフィおよび99mTcO4- SPECT/CTが有用であることが示された。99mTcO4-を用いて131I内用療法前に残存甲状腺組織の有無および数を評価することによって、例えば残存甲状腺組織が複数個認められる場合は投与量を多く設定するというように、131I内用療法時の投与放射能量を調整することが可能になる。このような投与量調整の概念は長い131I内用療法の歴史において皆無であり、患者に無用な被ばくを強いることなく効率的に131I内用療法を行えるという点からも、本研究成果はより良い131I内用療法の治療プロトコールを作り出す方向性を示すことができたと考える。
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Research Products
(2 results)