2012 Fiscal Year Research-status Report
肝細胞癌のGd-EOB-DTPA造影MRIによるsubtype分類
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24791281
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
北尾 梓 金沢大学, 大学病院, 助教 (20608690)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 肝細胞癌 / MRI / Gd-EOB-DTPA / subtype分類 |
Research Abstract |
1. 肝細胞癌症例の集積:2008年4月から2013年3月までの間にGd-EOB-DTPA造影MRIが施行された肝細胞癌症例で、外科的切除された病変を約100結節、生検された病変を約140結節を集積した。Gd-EOB-DTPA造影MRI 肝細胞相で高信号を呈する肝細胞癌は28結節、残りは低信号を呈する肝細胞癌であった。 2. 肝細胞癌患者の血清腫瘍マーカー値の評価:血清AFP、AFP-L3分画、PIVKA-IIは高信号肝細胞癌で有意に低値を示した(P=0.003、0.004、0.026)。また、これらの血清値とGd-EOB-DTPA造影MRI肝細胞相での増強率とは負の相関を示した(P=0.02、0.007、0.009)。 3. 肝細胞癌標本の組織学的評価:組織学的に高信号を呈する肝細胞癌は有意に分化度が高く(P=0.028)、偽腺管形成型の増殖様式の頻度が高く(P<0.0001)、門脈浸潤の頻度が低かった(P=0.039)。 4. 肝細胞癌標本の各種マーカーの免疫染色:免疫染色の検討では高信号肝細胞癌はAFP, PIVKA-II, EpCAM, Glypican3の発現が有意に低く、OATP8, HepPar-1, β-cateninの発現が高かった(P<0.05)。 以上の結果より、EOB-MRI肝細胞造影相で高信号を示す肝細胞癌は、生物学的な悪性度が低い一群である可能性があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備検討である程度の結果が出ていたため、それに追加する形で研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 肝細胞癌標本の各種マーカーのRT-PCR:対象は手術にて凍結標本が得られた症例で、RNAを抽出しreverse transcrirtion polymerase chain reaction でmRNAレベルの発現評価を行う。免疫染色と同様に幹細胞マーカー、肝細胞マーカー、胆管細胞マーカー、signalingマーカー、悪性度マーカーなどを対象として考えている。 2. 肝細胞癌患者の予後追跡:肝細胞癌の再発率や生存率の評価を行う。また、治療後の再発様式(局所再発、肝内異所再発、肝外再発)とその画像所見の解析を行う。 3. 肝細胞癌発生の解析:多血性肝細胞癌と診断される以前の経過のCTやMRI画像が得られた症例では、その経過画像の特徴について解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度はデータ記憶装置に100千円、PCR試薬に300千円、書籍に100千円、成果発表に400千円、外国語論文の校閲に100千円計上した。 平成24年度は効率的な予算執行により端数が生じ、33324円の未使用額が発生したため、次年度に繰り越すこととした。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Hypervascular Hepatocellular Carcinoma: Correlation between Biologic Features and Signal Intensity on Gadoxetic Acid-enhanced MR Images2012
Author(s)
Kitao A, Matsui O, Yoneda Y, Kozaka K, Kobayashi S, Koda W, Gabata T, Yamashita T, Kaneko S, Nakanuma Y, Kita R, Arii S
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Journal Title
Radiology
Volume: 265
Pages: 780-789
DOI
Peer Reviewed
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