2013 Fiscal Year Research-status Report
高精細医用画像を用いた定位脳手術を支える脳深部核同定技法の確立
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24791289
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中根 俊樹 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (60569789)
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Keywords | MRI / 脳深部核 / 放射線科学 |
Research Abstract |
本研究の目的は基礎、臨床において待望される脳深部核、特に治療において標的となる視床やその近傍の核を、臨床用のMRI装置を用いて同定することである。視床内の神経核(亜核)のMRIにおける描出の報告を元に、本年度において複数の被験者に対しMRIの実験を行った。過去に報告(Deoni et al., 2007; Tourdias et al., 2014)のあった亜核間のT1値の差異に基づいて、T1mapにおける視床亜核間のコントラストを参考として、今回は30分程度の撮像を行ったが、この時間では十分なコントラストを得ることはできなかった。同様に差異が報告されているT2mapについては、アーティファクトの発生を抑えることが困難であり、やはり十分なコントラストを得られなかった。T2*mapについても試みたが、これもコントラストは不十分であった。7T-MRIの報告(Deistung et al., 2013)では、磁化率の定量化を試みた画像において一部の視床亜核の描出を認めたため、本実験で用いる装置では限界も予想されるが、今後検討すべき撮像法と考えている。脳の髄鞘イメージングの手法であるSTIR-プロトン密度強調像においては、視床内の白質である乳頭視床路について比較的明瞭な描出を得ることができた。この撮像法や、T1mapの描出に使用したMP2RAGEにおいて得られる画像についても、これらの白質構造について、観測できたため、今後はパラメータの最適化を目指していく予定である。ただし、全ての亜核についての分離は不十分であり、これはアーティファクトや、亜核自体の物理的性質に基づいているかもしれないと考えている。視床亜核には特異的な機能があるとされ、脳機能画像についても考察を進めていく。また、視床には周囲の脳組織から複数の神経線維による連絡があり、これは亜核により差異がある。これらの神経線維は拡散テンソル画像による白質のイメージングにより描出されうるため、この画像の解析も有用になると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実験を行うにあたり必要な審査等の手続き、人員の用意、実験を行いそれを検証して、次の実験を開始するための論文の検索等に必要な時間の確保が困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き撮像シーケンスを選択の上、パラメータを調整し、最適な撮像方法の探索を進める。また、撮像して得た画像データについて、統計学的な画像処理を検討していく。3ヶ月を目処に、シーケンスやパラメータ等の評価を行い、その後、報告を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた実験に遅れが生じたため、施設使用料や物品の費用が残存したため。 今年度中に追加の実験を行うことで、使用する。
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