2013 Fiscal Year Research-status Report
光イメージング技術を用いた分子標的薬の放射線増感作用機構の解明
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24791293
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉村 通央 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40597936)
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Keywords | 放射線治療 / 放射線増感剤 |
Research Abstract |
本研究の目的は、放射線と併用することにより放射線増感作用を呈する分子標的薬の機能や抗腫瘍効果のメカニズム解析をすることである。当方は各種ある分子標的薬のうち、ある細胞周期阻害剤Aに注目した。 昨年度までに、Clonogenic assayによってin vitro にて、この薬剤が放射線増感作用をもつことは実証されていた。今回、マウス移植腫瘍モデルを作成し、in vivoでも放射線増感作用をもつかどうかを検証した。まずは、条件検討から始め、マウス移植腫瘍モデルを使った際に、細胞周期をM期で最も効率的に止めることができる条件を検討した。至適、濃度、作用時間が決定し、薬剤に一定時間暴露させた後、放射線を照射すると、放射線増感効果を呈した。この結果より、in vitro実験から得られたデータから類推した通り、in vivoにてもこの薬剤が、放射線増感効果を呈することが分かった。この薬剤は、細胞周期阻害剤であるため、一定期間暴露せずに放射線を照射しても放射線増感効果は得られないはずである。その仮定に基づき、薬剤に投与したのちすぐに放射線を照射する実験をin vivo, in vitroでも試みた。その結果、両実験ともに放射線増感作用は認めず、この薬剤の放射線増感作用が、細胞周期阻害によるものであるという仮定がより強く実証されることとなった。今後は、遺伝子発現ベクターなどを導入した細胞により、この薬剤の放射線増感作用がどのように変化するのかを検証していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vivoでもin vitroと同様に期待された放射線増感効果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、遺伝子発現ベクターなどを導入した細胞により、この薬剤の放射線増感作用がどのように変化するのかを検証していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は、学会発表にまでは至らなかったため、出張費が少なかった。 次年度は、論文投稿、学会発表などを行う予定であり、投稿費、出張費として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)