2012 Fiscal Year Research-status Report
悪性胸膜中皮腫に対する回転型強度変調放射線治療技術の実用化に向けた研究
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24791294
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
椎木 健裕 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30610456)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 悪性胸膜中皮腫 / 回転型強度変量放射線治療 / 品質管理 / 品質保証 / 三次元検出器 |
Research Abstract |
1.強度変調放射線治療(IMRT:Intensity modulated radiotherapy)の線量体積指標(DVH : Dose Volume histogram)の解析 モンテカルロシミュレーションと同等の精度を要する高精度線量計算アルゴリズムを使用し、IMRTによって実際に患者に投与される放射線量を高精度にシミュレーションすることができ、より詳細にDVH指標を取得することができた。 2.治療計画装置を用いた強度変調回転照射法(VMAT : Volumetric modulated arc therapy)のシミュレーション 悪性胸膜中皮腫に対するVMAT照射に必要なアーク数は3アークとし、危険臓器(肺)を避けるような照射角度を設定した。更に、ターゲット(腫瘍)に対する線量集中性が低減するような領域では、ハーフフィールドを用いたアーク照射野を使用し、危険臓器への線量を低減しつつ、ターゲットに対する線量を担保するような設定とした。 3.悪性胸膜中皮腫に対するIMRTおよびVMATシミュレーションの比較 IMRTと比較して、VMATでは、少ないモニタ単位数(MU:Monitor Unit)で治療実施の可能性について示唆した。さらに、ターゲットに対する線量集中性を担保しつつ、危険臓器に対する線量もIMRTと同等に低減可能性について示唆した。このことにより、電子線や固定多門によるIMRTによる治療で、長時間を有した悪性胸膜中皮腫の治療が簡便化かつ短時間で行われる可能性を示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
VMATのシミュレーションには、非常に多大な時間を要することから、少数の症例でのみしか行えていないのが現状である。 また、異動により、前施設で行えたシミュレーション環境を構築するのに、時間を要したため、VMATシミュレーションに時間を費やすことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
VMATのシミュレーション症例を増やしていき、IMRTとの比較をDVH指標やモニタ単位数を用いた統計的解析を行い、VAMTの有用性について検討する。さらに、VMATの検証に使用する3次元検出器の基本特性について解析し、悪性胸膜中皮腫のVMATの品質管理・品質保証に対する使用可能性について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年に参加を予定していた米国放射線腫瘍学会に異動のため参加することができなかったことから、旅費、参加費について未使用額が生じた。また、本年度予定していたDVH解析が症例数を増やすことができずに解析を行うことができなった。そのため、解析用ソフトを購入することができなった。平成25年度の学会への旅費、参加費および解析用ソフトの購入と併せて使用する。 また、平成25年度は、VMATシミュレーション環境の構築を行うため、PCの増築を行う。また、シミュレーション検証用のデータ解析ソフトを購入し、データ解析環境を構築する。得られた結果を発信するため、新たな情報を収集するための学会参加費用とする。
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