2013 Fiscal Year Research-status Report
悪性胸膜中皮腫に対する回転型強度変調放射線治療技術の実用化に向けた研究
Project/Area Number |
24791294
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
椎木 健裕 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30610456)
|
Keywords | 回転型強度変調放射線治療 / 悪性胸膜中皮腫 / 品質管理 |
Research Abstract |
5症例に対して、悪性胸膜中皮腫に対する回転型強度変調放射線治療の治療計画シミュレーションを行い、従来の固定型強度変調放射線治療法と比較した。従来法と比較し、腫瘍に対する放射線線量集中性(90%線量領域)は同等となり、1回の治療時間が、約1/5(平均照射Monitor Unitが約2000から400へ低減)ほどに短縮することを明らかにした。しかし、回転照射法を用いることで、肺に対する低線量が増加してしまうという問題があり、肺を避ける照射角度・回転角度および照射野サイズ(ハーフフィールドなど)を選択し、最適化を行う必要があると考えられる。 また、前立腺、脳腫瘍、膵がんに対する強度変調放射線治療の治療計画シミュレーションを使用し、回転型強度変調放射線治療のシミュレーションの実証に使用する三次元検出器の精度検証を行った。三次元検出器の半導体検出器による放射線測定結果とフィルムによる測定結果は、ガンマ解析(3 mm/3%)にて、90%以上のパス率を示した。これまで検証に使用していたフィルムと三次元検出器による測定結果が精度良く一致していることから、三次元検出器が検証に使用可能であることを示し、悪性胸膜中皮腫に対する回転型強度変調放射線治療の検証に対しても高精度に検証可能であることが期待される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
悪性胸膜中皮腫に対する回転型強度変調放射線治療の治療計画のシミュレーションを行い、従来の強度変調放射線治療法と比較して、1回の治療時間が、約1/5ほどに短縮することを明らかにした。 しかし、シミュレーションを再現するための医療用加速器の調整を現在行っている最中であり、最後の実証を行えていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
医療用加速器の調整を早急に行い、シミュレーションが実証可能な環境作りを行う。 実証可能な状況になれば、シミュレーションによって作成されたDICOM-RTファイルおよび三次元検出器を使用して、検証を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究はやや進捗が遅れており、実証段階まで到達していないのが現状である。 そのため、実証の検証に必要な物品の購入がまだできていない。 悪性胸膜中皮腫のシミュレーションを実証するための解析ソフトの開発環境整備に必要な物品費に充てる。具体的には、処理能力高速化用PCおよびソフトウェア開発のためのソフトウェアの購入も検討中である。
|
Research Products
(9 results)