2013 Fiscal Year Annual Research Report
脂質構成成分の磁気共鳴法による画像化法の確立と応用
Project/Area Number |
24791303
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉原 文徳 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教 (50381645)
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Keywords | MRI / 多重共鳴 / 脂質 / 肥満 |
Research Abstract |
本研究では生体中での脂質分布の質的解析を多重共鳴MRI法により行い、分布の偏在がどのような要因によっているかを検討した。そのために、1)手法の条件検討、2)他解析手法との比較、3)脂質分布がどのような要因で変化するかをマウス個体を用い様々な条件下で測定した。 1)手法の検討として、標準試料を用いた測定により想定される脂質構成要素(飽和、不飽和、トリグリセリドなど)由来の信号による画像構成が可能であり、濃度に比例した信号強度を得ることができたことから画像比較による定量解析が可能であると考えられた。また生体マウスでの測定においても各信号由来の画像を得られることを確認した。 2)脂質構成要素の解析手法としてMALDI質量分析とガスクロマトグラフィー質量分析等を用いたが、マウス由来の生体試料では多重共鳴MRI画像から得られる脂質構成から期待される結果とは異なっていた。これはMRIで観測されている脂質は分析用に抽出された脂質の一部のみであること起因すると考えられ、比較のためには脂質抽出方法の検討が必要であることが分かった。 3)マウス個体中では脂質の多重共鳴MRI信号は脂肪組織において観測されるが、脂質構成成分によっては分布の偏りがみられる。特に不飽和脂肪鎖に由来する信号は下腹部に局在してみられた。これは雌雄においてその傾向は変わらないが、食餌負荷による肥満誘導時には分布の変化がみられた。また食餌により低体重を維持させたマウスでは信号分布の変化はみられず、脂質成分画像による肥満度をとらえることができると考えられた。また2型糖尿病モデルマウスを用いると病態進行時には脂質分布の変化みられたことから、病態モニタリングにも本手法が用いることができるのではないかと考えられた。
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Research Products
(2 results)