2012 Fiscal Year Research-status Report
EPRイメージング法による脳腫瘍の非侵襲的な評価法の開発
Project/Area Number |
24791318
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
江本 美穂 札幌医科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (10578735)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | EPRイメージング / MRI |
Research Abstract |
分子イメージング法の一つである、電子常磁性共鳴(EPR)イメージング法は、活性酸素種などにより起こる生体の機能情報を、非侵襲的に3次元で画像化できるものである。本研究ではナイトロオキシド化合物を用いて、脳腫瘍で増加する活性酸素種を捉えることで、病態を画像により評価する事を目的とした。当該年度の計画としては『脳腫瘍モデルマウスの作成』と『EPRイメージングにおけるモデルマウスの画像評価』を行う予定であった。『EPRイメージングにおけるモデルマウスの画像評価』を行うのに先立ち、コントロールマウスにおいて血液脳関門を通過し脳組織に入る複数種のナイトロオキシド化合物(アスコルビン酸に強い耐性のある種類と、耐性のない種類の3-hydroxymethyl-2,2,5,5-tetramethylpyrrolidine-1-oxylやmethoxycarbonyl-2,2,5,5-tetramethylpyrrolidine-1-oxyl)を投与し、頭部におけるその分布や代謝速度などの画像評価を行った。コントロールマウスに、様々な体内分布や代謝速度のナイトロオキシド化合物を使用してEPRイメージングを行う事で、脳腫瘍モデルマウスが確立できた際の、比較対象としての基礎データを得ることができた。現在、稼働している高速EPRイメージング装置を使用すると、マウスの頭部におけるナイトロオキシド化合物の3D イメージングを15秒ごとに撮像することが可能となっている。得られた画像データのボクセルごとの信号強度の経時変化から、ナイトロオキシド化合物の消失反応の速度定数および、半減時間を2Dスライス画像にマッピングすることができ、このマッピングにより、どの部位でレドックスバランスに変化が生じたのかを画像から判断する事が可能となった。本成果は国内外で学会発表を行い、現在国際雑誌に投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、コントロールマウスに、様々な体内分布や代謝速度のナイトロオキシド化合物を使用してEPRイメージングを行う事で、脳腫瘍モデルマウスが確立できた際の、比較対象としての基礎データを得る事ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の成果をもとに、脳腫瘍モデルマウスを用いて、コントロールマウスと同様のナイトロオキシド化合物を投与する。MRIで腫瘍が認められる程度に病状が進行した状態で、EPRイメージングを行う。脳腫瘍を作る事で過剰にROSを産生させ、酸化ストレスを誘発し、ナイトロオキシド化合物の挙動の変化を画像化する。MRIで確認できた脳腫瘍の部位と、EPRイメージングを対応させることで脳腫瘍によるROSの影響をEPRイメージング上で明らかにするさらに、得られたナイトロオキシド化合物の消失速度定数、半減時間から算出したレドックスバランスの変化をEPRイメージングの画像上にマッピングし、コントロールマウスとの比較検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画より備品、試薬、実験器具などが安価に購入することができた。また、国内学会が地元開催だった事や、アメリカで行われた国際学会でも航空券を早めに予約できた事により、旅費も実支出額が計画よりも抑えられたので、平成24年度の残額が生じている。 この平成24年度の残額と平成25年度の直接経費の合計額で、実験に必要な消耗品、試薬や実験器具、実験動物の購入および学会発表、論文投稿などを行う。
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Research Products
(7 results)