2014 Fiscal Year Annual Research Report
複数b値拡散強調像を用いた単純MRIによる新しい乳腺病変質的診断法の開発
Project/Area Number |
24791327
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
後藤 眞理子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20605042)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 乳癌 / ダイナミックMRI / 拡散強調像 / IVIM |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、乳腺病変において、毛細血管血流を反映しているとされる低いb値を用いたMRI拡散強調像と、造影ダイナミックMRIの解析値の間に相関があるかどうかを明らかにし、非造影MRIでの乳腺病変質的診断能の向上を目指すことであった。本研究により、単純MRIで乳腺病変の血流評価(造影剤動態)の評価が可能であるということが示唆できれば、非造影MRIでの乳腺病変の質的評価の新たな手法を模索することができ、臨床的に有用と考えられた。 本年度は蓄積した臨床症例のMRI画像データより、引き続き手持ちの解析ソフトを利用し、水分子拡散と毛細血管灌流に関する情報を合わせて取得できる複数b値拡散強調像解析手法(Intravoxel incoherent motion:IVIM)を検討した。またダイナミックMRIの画像データから、造影剤投与後の乳腺病変信号変化率を測定し、拡散強調像IVIM毛細血管灌流に関するパラメータとの関連を検討した。 昨年度の検討においては、浸潤性乳管癌において、ダイナミックMRIにおける造影信号変化率と拡散強調像IVIM毛細血管灌流に関するパラメータに相関が認められた。しかし本年度さらに症例を蓄積し解析した結果、相関は認められるものの弱い相関にとどまり、IVIM毛細血管灌流パラメータを用いた拡散強調像による血流解析が、ダイナミックMRIの追加情報となるという結果は得られなかった。 弱い相関が認められるに留まった本研究の問題点としては、①IVIM毛細血管灌流に関するパラメータの測定不安定性と低い再現性 ②ダイナミックMRIの信号値解析は半定量解析であり、厳密な組織内造影剤動態を反映していない可能性がある、といった点が考えられた。
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